渓流釣りは、美しい自然の中で楽しめる魅力的な釣りの一つです。特にエサ釣りは初心者でも挑戦しやすく、シンプルな仕掛けで渓流魚を狙えるのが特徴。しかし、釣果を上げるためには、適切な竿選びや仕掛けのセッティングが重要です。本記事では、渓流エサ釣りに適した竿の選び方や仕掛けの基本、釣り方のコツまで詳しく解説します。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・松森渉)

渓流釣りに使うエサ
渓流釣りに使用するエサは、季節ごとに変えるのが釣果を上げるポイントです。解禁直後の水温が低い時期には、匂いが強くアピール力のあるイクラが特効エサ。魚の活性が低い中でも、匂いでしっかり誘うことができます。
本格的なシーズンに入る春は、渓流に多く生息するキンパクやヒラタといった水生昆虫が有効です。これらは魚が普段から食べているエサなので、自然な食いつきを狙えます。
初夏になると川虫の数が減るため、釣具店で購入できるブドウムシやミミズが活躍します。特にミミズは、雨が降った際に川に流れ込み、渓流魚もよく口にするエサです。梅雨時の濁りが入る場面では安定した釣果が期待できます。
夏になると、現地で採集できる甲虫やバッタ、チョウなどの陸生昆虫への反応も良くなります。川沿いの草むらなどで見つけた昆虫をエサにすると、その時期の自然な食性に合い、好釣果につながることもあります。
このように、その時々で魚が捕食しているエサを選ぶのが理想ですが、現地での採集が難しいこともあります。そのため、イクラ・ミミズ・ブドウムシといった釣具店で入手できるエサを予備として用意しておくと安心です。

釣り方の基本とコツ
初めに覚えておきたいのは、渓流魚は警戒心が強いということ。釣り場にアプローチする際は物音を立てず、水面にむやみに近づかないことが重要です。これは必ず守りましょう。
仕掛けを流すポイント
次に仕掛けを流すポイントの選定が釣果を大きく左右します。魚がエサを捕食しやすい場所として、複数の流れが合流する「Yパターン」や、反転流が発生する「ICパターン」のポイントが挙げられます。これらの変化のあるポイントでは魚が居着いていることが多いので、積極的に仕掛けを投入するとよいでしょう。

また、魚種によっても好むポイントが変わります。ヤマメ・アマゴは流れの中に定位することが多いため、流れの筋や落ち込みなどが狙い目。一方、イワナは比較的流れの緩やかな障害物の影に身を潜めることが多く、大きな岩の周辺や流れの側にできた緩流などが好ポイントです。源流域は冷水を好むイワナが多いなど、流域によっては生息する魚種が偏るので覚えておくといいでしょう。

仕掛けの操作方法
仕掛けを投入する際は、目印を水深と同じくらいの高さに調整し、上流へ向かって静かに仕掛けを流し込みます。その後、竿を下流側に少しずつ動かし、エサが一定の深さを流れるように操作。このとき、目印を水面より少し上でキープすると、アタリを取りやすくなります。アタリは目印が引っ張られたり、止まるなどの変化として出ます。違和感があれば、小さくシャープにアワセを入れましょう。
取り込みは、掛かった魚が小型であれば、他の魚の警戒心を上げないためにも素早く抜き上げてしまうのも手です。良型の場合は無理はせず、緩い流れに引き寄せて取り込むようにしましょう。ただし、障害物の多い釣り場では、岩などに潜り込まれることもあるため、良型でも強引に引き抜く必要があります。その場合は、太めの仕掛けを使うのも選択肢の一つです。
マナーを守って楽しもう
最後に、渓流釣りを楽しむ際は、遊漁券を買う、ゴミを持ち帰るなど最低限のルールは必ず守って下さい。また、先行者を追い越さないなど他のアングラーにも気を配り、マナーを守りながら楽しみましょう。
<TSURINEWS編集部>