最近、日本海側で10kgを超える寒ブリが釣れているとの情報をキャッチし、釣り仲間とともに新潟・直江津港の里輝丸から出船した。狙うは極太の寒ブリ。前便では船中40尾以上の釣果があったと聞き、期待に胸が高鳴る。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・灰野広武)
11.2kgの寒ブリをキャッチ
これはもう駄目かもしれない……。そう思いながらも置き竿を見つめていると、急に竿先が浮いた。オマツリか? と思ったが、明らかに竿先が暴れている。これは魚だ。
慌てて電動リールの巻き上げをONにすると、300号を背負っても先端しか曲がらなかった竿が海面に突き刺さり、PEラインが軋む音が耳に届く。これはでかい。興奮気味で周りが見えなくなっていた私に、仲間が「竿持ってみたら?」と提案。
ものは試しと、キーパーに掛けたまま持ち上げてみると凄まじい重さ。長竿というのもあるが、それにしても重い。必死に耐えていると、時折強烈に「ガガガッ!」と首を振るような抵抗があり恐怖するが、緩めるとオマツリによるバラシの危険があるので覚悟を決めて巻き続ける。

そして、巻きを緩めなかったのが幸いしたのか、オマツリすることなく仕掛けに到達。ここからもスピード勝負。一気に手繰り寄せると、巨大な魚影が浮き上がった。
ファイト時間が短いので、水面でもかなりの抵抗を見せたが、なんとかタモに収まったのは11.2kgの立派な寒ブリだった。上がった瞬間、思わず叫んでしまうほどの魚だった。

最終釣果
その後は、たまにフグのアタリがある程度で、この1本のみで終了。船中でも4本と、かなり厳しい日だったようで、本当に運に恵まれた。
コツというものはあまり無いように感じたが、強いて言えば、餌はケチらずに釣り餌専用、もしくは鮮度の良い食用のものを選ぶのが良さそうだ。
あとは、防寒対策は過剰なくらいするのが安心。念のために買っておいた電熱ベストのおかげで、この日は終始快適に過ごすことができた。
帰宅後、捌いてみると腹側はもちろん、背中側までサシがしっかり入っていた。

まずは刺身で食べてみると、とろける旨さ。寒ブリは10kgを超えるとキロ単価が上がると聞いたが、これは納得である。

何にしても旨いが、個人的にはしゃぶしゃぶが一番。特に脂の強い腹身は、粗塩を少し振ると絶品。これは毎年遠征しよう、そう思わせる魚だった。

<灰野広武/TSURINEWSライター>