この冬は満足にメバルの姿を拝めていない。海水温が下がるのが遅すぎて、しかもメバルの適水温になったかと思うと産卵期に入ってしまった。こうなると渋いのは覚悟のうえだが、もう一度だけ十分にやっていない場所で戦ってみることにした。12月16日、泉大津でのメバル狙いの釣行をレポートする。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
メバルだけを求めて
日没の時刻は17時ちょい過ぎで、余裕を持って30分前にエントリーした。泉大津のマイポイントは汽水域だが、この日は少しでも下流の河口の側へと、塩分濃度がまだ濃そうなところまで歩いていく。メバルは汽水域では出にくいことは経験則として知っている。しかし単純に外海を打ってもなかなか出る時期ではなくなってしまった。勝手知ったるマイポイントのストラクチャーを順番に打っていく作戦。
この日は非常に寒い日だった。風は裏に回してほとんど消せたが、底冷えしていてキリッと冷たい。メバルだけを求めてきたが、持ってきたのはアジングロッド。足場と海面の距離がかなり近い場所で、しかもストラクチャーをピンポイントで打つ必要があることから、正確性高く投げられるショートロッドを選んだ。PEラインは0.3号で、ジグ単をベースにプラグをまじえながら釣っていく。
メバルの住処もアジが占拠
20分ほど歩いていきながら足元を釣る。しかし、この時間に食ってくるのはまだアジだ。
足元のタイトなところまでアジが差し込んでいる。まあマヅメだけかな?彼らには海水温的に少々冷たいところがあるし、夜になると活性が下がるはずだ。と思いつつ、拾い釣りしていく。
それにしてもなかなかの型で、22cmを下るやつはまず来ない。本当にアジの当たり年だ。筆者は釣行記に書いている以外にもあっちこっちでアジングをしているが、最寄りの大阪南港が一番パターンを作りやすいし、尺前までくるのでうれしい2024年末となっている。
日没後、アジがもう10尾は軽く釣れたので、そろそろ本格的にメバルを探すことにした。まだレンジが入っているはずなので、タングステンの1gのジグヘッドをストラクチャー周りに落として10カウントほど沈めてから、リトリーブする。スローリトリーブでバシッとかけたが、この魚もアジだった。
この日最大は28cmと自己レコードタイ。それならもう、30cmが釣れてくれよ。そんな話でもないか。
最後はキジハタが登場
メバルがなかなか出ない。スポーンのタイミングには本当に「無」になる時期がある。この日はどうやらばっちりその「無」の時期に当たってしまったらしく、結果的にメバルは音沙汰なし。アタリすら一切なかった。途中からはプラグを遠投して潮に流して釣るという釣り方も一応試したが、オープンに出ているメバルも見つけられなかった。
ただ、またしてもキジハタが登場した。冬に釣れるのは、今年2度目。盛期の夏ではないので、ぬるっと淡い感触で上がってくる。カサゴともメバルとも違う、なんという手ごたえのなさか。
寒すぎて撤退
この日は寒さに備えて徹底的に防寒してきたうえ、もう1つ下着を持ってきていたが、それを使っても釣っていられない寒さになって、帰り路に歩くことも考えて21時には納竿した。それでもまあまあやっていたと思うが、何よりも途中からはアタリのなさに耐えられず。そっちの寒さに屈してしまった。
帰り際にiPhoneの天気を見てみると、なんと体感温度マイナス3℃だったらしい。風が当たらない場所で釣っていたので、そこまでとは思わなかったが、釣りができるぎりぎりの寒さだったと思う。海の表層は外気温の影響も大きく受けるというので、もしかすると数少ないメバルにとっても海面は厳しい寒さだったのかもしれない。今冬は垂水で釣れた小さなメバル以上を望まぬようにしよう。
<井上海生/TSURINEWSライター>
泉大津