公園の小さな池でヘラ釣りが無料でできる。そんなシチュエーションは全国に多数あるが、静岡県静岡市清水区にある船越堤公園の婦池もそのなかの一つ。少ないながらも定期放流を積み重ね、今や管理釣り場に負けないほどの魚影を誇る。今年も12月1日に300kg前後の新ベラ放流が予定されており、新入生加入によって良型地ベラの動きも活発になると思われる。偏光サングラス持参で、ぜひとも出かけてみてほしい。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース編集部)
船越堤の婦池概況
前文でも述べたとおり12月1日(日)に今期1回目の新ベラ放流が予定されている。総量は約300kgでサイズはおそらく4~6枚1kgだと思われる。いわゆる中・小型サイズではあるが、だからこそ魚の活性が高く放流直後から大いに口を使ってくれることだろう。また新ベラが加わったことで既存ベラの活性も上がるので、放流後しばらくは同池で釣果フィーバーが巻き起こるはず。
なお同池があるのは船越堤公園内。高低差があり池から頂上まで歩くと人によっては息が切れるほどで、日ごろの運動不足を痛感させられる公園となっている。池面積は小さく端から端まで歩いても2分とかからない。また隣には婦池よりも大きな夫池があるが、こちらは釣り禁止。
船越堤の婦池ポイント
これからの時期は多くの釣り人が日なたを求めるので、南側の山が陰にならない深場エリア(半分よりも東側)がメインとなる。
全域で転落防止用の柵が設置されている。柵と水際までのスペースが狭く、とくにまたぎ式釣り台だと柵にもたれかかるように座っても、ギリギリのスペースとなる。あぐら式も同様だが自分の足を外に投げだすように座れば多少は広くなる。
しかしながら狭いことにかわりはないので、常連のなかにはあぐら式釣り台を水際よりも前に出して落下しないようにロープで柵と結んでいる人も見かける。初めてだと釣り座の狭さに戸惑うかもしれないので、念のため丈夫なロープを持参していくといいだろう。
なお東側の階段なら釣り台の前側を柵にベタ置きして、後ろだけ脚を伸ばして座ることも可能。この場合、最上段の柵越しから腕を出して釣るスタイルとなる。いわゆる監獄釣りスタイルに似ているかもしれない。
取材日当日は偶然にもカワウ対策用のネットを池全体に張り巡らす作業日に遭遇した。ネットの使用期間はおよそ12~3月の冬期のみで、盛期は取り外される。ネットが張られるこの時期は、ネットとネットの間から竿を出すことになり、盛期と比べポイントに制約がかかるが、魚影は濃いのでさほどの影響はないだろう。
船越堤の婦池での釣り方とエサ
釣り方などとくに制限はない。何尺でもOKでタナも自由だ。しかしながら池の規模を考えると、長くても18尺前後がリミットと思われる。
手前が急なカケアガリで、先に行くほど傾斜が緩くなる。どこでフラットになるかは一概に言えないが、おおむね15尺前後でフラットな底にエサが入る。宙釣りなら何尺でもいいが、長くても12尺前後だろう。
これからの時期、お勧めなのが竿15~16尺バランスの底釣り。理由は前述した底の状態で、ナジミ幅を安定させやすく釣りやすい。また段差の底釣りもいいが、流れに弱いのでできればウキが竿いっぱいになるように竿の長さや仕掛けの長さを調整したい。
アベレージサイズが8~9寸なので太仕掛けは不要。いわゆる管理釣り場仕様で十分対応可能だろう。またエサも共エサにしろセットにしろ、使い慣れたブレンドでOKだ。ただし流れが出やすいので、流れ対策(ズラシ幅やウキの浮力)などにはいつも以上に気を配りたい。
なお北岸に入釣の際は、ぜひ偏光サングラスと目出し帽を持参したい。とくにようやくウキが動きだすいい時間帯に太陽が正面になりやすいので、これにさざ波などが加わるとウキが非常に見にくくなる。曇りでも波立てば同様だと思われるので、逆光対策はマストアイテムと心得よう。
<週刊へらニュース編集部/TSURINEWS編>
清水船越堤公園・婦池
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