青物ジギングでは状況に応じたジグ選択が重要で、スポーツの試合運びに似ている。今年の秋、アクアウェーブから個性と性能を兼ね備えた新作ジグが登場。フィールドスタッフ桑原一幸さんが実釣でこのジグを使った攻略法を紹介する。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版編集部・五井)
新構造のジグ『カルリア』とは
さて、ここで桑原さんが使用しているカルリアについて詳しく紹介しよう。前半でも振れたが、このジグの最大の強みはジャークを終えた直後に素早く&確実に水平姿勢に移行し、青物の食う間を生み出すこと。
そして、この能力を持たせるために考案されたのが尾部を鉛と樹脂のハイブリッドとする方法だ。
ジグは後方に重心があると、尾部を下にして姿勢が安定し、素早く沈下する。ただし、アクションレスポンスや、捕食の間である水平姿勢の演出が苦手になる。
一方で、前方に重心があるものはアクションレスポンスが良く、水平姿勢を演出しやすいが、沈下が遅く流されやすい。
これらの中間に位置するのが、いわゆるセンター重心のジグで、特性が最もバーサタイルだ。
カルリアはこのタイプに属するわけだが、重心こそセンターにあるものの、先に書いた素材と構造により、全体が同一金属で構成されたセンター重心のジグに比べ、尾部の比重はグッと軽くなっている。
これにより、素早く水平姿勢をとれるのはもちろん、アクションレスポンスにも優れるため、次のようなメリットもある。
・少ない入力で泳いでアクションさせられる
・ドテラ流しでジグが遠くに流れてもロッドアクションに機敏に反応する
・ライトタックルでもしっかり泳がせられる
なお、ジグ自体はワイドなジャークで飛ばせば、直後にスライドアクションを起こし、巻きの誘いではミノーのようにヒラを打って泳ぐ。魚の捕食嗜好に合わせ、多様な使い方ができるのも優れた能力のひとつだ。
重量は100/120/150/200gの4規格、カラーは今回使用したゼブラグロー、フルメッキのほか、紫外線発光のUVシルバー、定番のブルピンやアカキン、グリーンゴールドO.B.にピンクバックグローなど全10色がラインアップされる。
このジグに関する詳しい解説と今回の釣行は動画でも見ることができるので、ぜひご覧になってほしい。
当日の釣りを振り返って
さて、狙いのヒラマサと対面できた今釣行、このあともメジロがポツポツとヒットし、僚船でブリが上がったとの報も入ったが、潮が変わってから状況が渋くなり、納竿を迎えることになった。
ただし、フィーディングタイムのときは、船中の釣果をリードする形で桑原さんがヒットを連発し、カルリアの威力を目の当たりにできた。
さて、青物ジギングの釣期はまだまだ続くが、手持ちのジグや技ではなかなか食わないという状況に出くわすこともあるだろう。そんなときのために、無類の能力と個性をもったルーキー、カルリアをチームメンバーに加え、難敵に打ち勝ってしてほしい。
<五井貴矢/週刊つりニュース中部版編集部>