フグといえば高級魚の代名詞でもありますが、時々安価なフグを見かけませんか?日本では複数種のフグが食用になりますが、種によって価格が異なります。中でも安価なフグは「サバフグ」であることがほんとんどです。
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「サバフグ」とは
「サバフグ」はサバフグ属に分類されるシロサバフグやクロサバフグの総称。日本では7種ものサバフグ属魚類が知られています。サバフグ属は金属を彷彿とさせる光沢のある体を待つことが特徴で、一部の種は食用として利用されます。
食用として流通するサバフグ属は無毒の可食部を持つ種です。
厚生労働省が定めた「フグの衛生確保について(局長通知)」ではカナフグ、クロサバフグ、シロサバフグの3種が「処理等により人の健康を損なうおそれがないと認められるフグ」とされてます。食用可能な部位は筋肉、皮、精巣(白子)で、精巣を除く内臓はたとえ無毒であっても販売・提供することは認められていません(安全なフグを提供しましょう-厚生労働省)。
ただし、国内で唯一、ゴマフグの卵巣が石川県等の「ふぐの子糠漬け」として販売が認められてます。
サバフグの見分け方
サバフグ属の魚たちは色彩に大きな差がないことからしばしば混同されるグループ。カナフグ、シロサバフグ、クロサバフグは筋肉、皮、精巣が無毒とされる一方、他のサバフグ属の魚の中には毒を持つものや毒性が不明なものも存在します。
特に頭を悩ませるのはシロサバフグ、クロサバフグと酷似したドクサバフグ。この3種は色彩や形が酷似しており、パっと見で区別することは困難なフグです。
ドクサバフグは背面の小棘が背鰭起部付近に及ぶのに対して、シロサバフグ、クロサバフグは小棘が背鰭起部付近に達しないこと、尾鰭の形や色彩から区別することが可能ですが、個体差もあり見慣れていないと分かりづらいためプロに識別を任せるのがよいでしょう。
また、無毒とされるクロサバフグも海域によっては有毒の個体も知られている他、シロサバフグは肝臓に微量ながらテトロドトキシンを持つことがあるため注意が必要です。
サバフグはフグの中でも比較的安価
そんなサバフグですが、中型種でありながらフグ科の中では安価であり、広く食用として流通。定置網などで漁獲され、時に大量発生することも。別名「キンフグ」とも呼ばれており、唐揚げや刺身で食べられている他、みりん干しなどの加工品としても頻繁に見かけることがあります。
全国屈指のフグの産地、福岡県ではトラフグはもちろんのことシロサバフグも有名で、古くから食用にしきたそうです。地元では「カナトフグ」と呼ばれており、伝統あるフグ籠漁で漁獲。旬は秋で玄界灘のシロサバフグはプライドフィッシュにも選定されています。
高級魚のイメージが強いフグですが、中にはサバフグのように安価で楽しめるフグも存在します。安価であっても味は良いため、見かけた際には食べてみてはいかがでしょうか。一方、シロサバフグは沿岸部でしばしば見られるフグですが、釣れても自分で調理することは避けるべきです。
<サカナト編集部>