釣行時の早朝は、放射冷却で外気温が一桁に下がり、釣り場が多い山間部では0度を示すこともしばしば。気温の低下に伴い、もちろん水温も低下する季節になった。それでも熱いのが管理池でのヘラブナ釣りだ。
管理池ヘラブナ釣りシーズン!
厳寒期になるにつれ狙える魚種は少なくなり、「冬は釣りのオフシーズン」なんて人も多いかもしれない。釣具店でもセールのタイミング以外では暖かい時期に比べれば人出は少ない。
気温が低下すると釣行意欲がそがれる原因は、「身体的につらい」、「釣れない」が大きいのではないだろうか?
それとは逆に実は「ヘラブナ釣りは冬の方が釣り人が多い。」管理池限定の話ではあるが、全国的に見ても間違いない。
これは、先ほどの二つの問題をクリアしているからに他ならない。
ヘラブナ釣り防寒対策!
「身体的につらい」という問題では、他の釣りに比べて動かないヘラブナ釣りは一見寒そうに思えるが、動かない(移動しない)釣りだからこそできる防寒対策が数多くある。
効果的な用品としてはテント、ダウンスカート、ストーブ、極厚ダウンジャケット、ダウンソックスになる。これだけの対策をすれば氷点下の気温でも快適に過ごすことができる。
これらは場所移動しないことや桟橋が整備されているヘラブナ釣りだからこそできる対策だ。
新ベラの放流が熱い!
「釣れない」ということに関しては、確かに全体的には夏場ほどの活性はなく数も釣れない。
しかし、多くの釣り場では11月以降から新ベラが放流される。
養魚場から持ってこられたばかりの新ベラは、まだ釣られたことのない警戒心のない個体である。活性の高いヘラブナが池に放流され、厳寒期に爆釣という話もよくある。
そして、活性は下がることがあっても管理池ではヘラの密度は保たれるため、よほどの混雑か冷え込みでなければ全く釣れないことは少ない。
この大きなメリットこそが冬のヘラブナ釣り場に釣り人が多い理由であり、ヘラブナ釣りにオフシーズンがない理由でもある。
冬の活性の低さも魅力!
また、冬の釣り自体にも魅力を感じる釣り人が多い。
夏場のようにエサの周りに沢山のヘラブナが寄ると複雑なウキの動きになり、ウキを持っていくようなアタリも多くなる。
冬は静かなウキの動きの中にサワリがあり、ドキドキしながらウキを見ていると、チクッときれいにアタる。こうなると何とも言えない気持ちになる。このウキの動きに夢中になり、病み付きになる。
やはりたくさん釣れる時期より1匹に価値があり、興奮が違うという釣り人も多い。
冬は一段とヘラブナ釣りが面白いとベテランの方々も口をそろえるほどなので、そんな魅力を味わいに釣り場に足を運んでみてはいかがだろうか。
次回はその厳寒期のヘラブナ釣りの具体的な釣り方を紹介したい。
冬には冬のヘラブナ釣りの魅力あり!
<週刊つりニュース関西版 土屋直人/TSURINEWS編>