師走の声を聞くと一気に伊勢湾周辺のジギングがにぎやかになる。そう、ジギングの花形スターであるブリやワラサが伊勢湾口に集結し、一年で最も熱いシーズンを迎えるのだ。今回はジギンガーを魅了してやまない大型青物に的を絞って伊勢湾ジギングを説明したい。
伊勢湾冬ジギングの釣り方
ポイントは水深30~80mとさまざま。
フラット地形あり、根周りありとボトムの形状もバラバラだ。また、潮が速いことも多く、日本海に比べて難易度は高めといえるだろう。
どのパターンでも共通していえるのが、派手なアクションや速い動きはあまり好まれないということ。
タチウオパターンでは、ティップで弾くようにジグを軽く躍らせ、時折折り混ぜるステイとフォールで食わせの間を作る。
ゼンメやサッパパターンでは、ボトムから中層までをフワフワネチネチと、ゆったりしたジャークと合間のフォールで誘う。
さまざまなパターンの中で、最も速いアクションで誘うのがイワシパターン。それでもハイギアリールを全速で巻くほどのスピードではなく、速めにリズムよく誘い上げる程度だ。
アタリについては、よく言われる「ガツンと手元までくる衝撃」というのはあまりない気がする。どちらかといえば、まとわりつくような感じでヒットすることが多い。グーッとティップを押さえ込むようにヒットしたり、フワッとテンションが抜けた後にドンッときたり。
いずれにせよ、ロッドに重みが乗った後はしっかりアワセを入れ、フッキングを確実なものにしよう。
この時期のジギング船は、平日でも満船になることが珍しくない。
せっかくヒットした魚、バラしたくないので慎重にファイトしたい気持ちは分かるが、周りの迷惑にならないよう、ある程度強引なファイトを心がけたい。
オマツリを避ける意味でも、強引な方がキャッチ率は上がる。
そのためにも、その時の状況でできるだけ太めのライン、リーダー、大きめのフックを選ぶようにしたい。
最後に
伊勢湾~鳥羽エリアでのジギングは一年で今が最も熱い季節だが、ムラが激しく状況がコロッと変わってしまうのも特徴だ。
昨日までは深場のタチウオパターンで爆釣していたのに、今日は浅場でサッパを食いあさっていた…なんてことは日常茶飯事。
昨日まで大量にいた青物がこつ然と姿を消すこともしょっちゅう。
「タチウオか!」と突っ込みたくなるが、それほどこのエリアの青物は攻略しがいがあると同時に、ジギング船の船長泣かせでもある。
まずは先入観を捨てること。
釣り人は前日の情報や前回おいしい思いをしたパターンに固執してしまいがちだが、ジグから伝わる情報と周囲の観察で、刻々と移り変わるパターンを読み切って攻めていきたい。
特に同船者にヒットした場合、そのジグの形状や重さ、ジャークパターンなどは必ずチェックしておこう。
伊勢湾の青物は決してイージーではない。だからこそ価値あるビッグワンを手にしたとき、その喜びは計り知れない。
ぜひメモリアルな1匹を目指して通っていただきたい。
<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>