大阪南港に回遊中のブリの子ども「ツバス」。チェイスはあっても、青物がバイトするサイズのルアーでは口を使ってくれない。それでは、とシルエットが小さい「弓角」を使ってみると、みごとなバイトがあった。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・夕日とぼうず)
大阪湾奥でツバス回遊中
2024年、大阪湾奥の青物春爆は幻に終わった。ホームの南港魚つり園でいうと、昨年は一日に二桁上がる日が珍しくなかったところ、今年はシーズンを通しても二桁に届かないという残念すぎる結果。「1本でも青物を釣りたかったなー」と肩を落としているアングラーは少なくないだろう。
そんな中、嬉しい状況がやってきた。例年どおり、モジャコやツバスの回遊が始まったのだ。地域によって呼び方は違うが、関西では一般的に20cm未満のブリを「モジャコ」、20cm以上を「ツバス」、40cm以上を「ハマチ」、60cm以上を「メジロ」、そして、これはサイズ・呼称とも全国共通だが80cm以上を「ブリ」と呼ぶ。
一説には今年の大阪湾ではベイトとなるイワシが大量発生しており、群れに青物が着きづらい状況だったとか。しかし、ブリの子どもたちは順調に成長しており、湾奥の陸近くに寄ってきてくれたようだ。
筆者が5月27日にセットアッパー125やイワシジグを投げたところ、モジャコやツバスのチェイスを数度、目撃できた。しかしながら、足元まで5匹チェイスしても、バイトすることはなかった。
ツバスチェイスの動画
もしかしたら、モジャコやツバスはルアーをエサとして見ていたのではなく、自分の体と同サイズの仲間だと認識して、群れていたのかもしれない。
小型ブリ類を釣る方法
20cm前後のモジャコやツバスに口を使わせるには、一般的に以下の3方法が有効だと言われている。
(1)シルエットが小さいルアーを使う
(2)ジグサビキを使う
(3)リアクションで喰わせるか引っ掛ける
(3)の「リアクションで喰わせるか引っ掛ける」は、実際に6月3日の釣行で120mmのミノーをジャークさせ、キャッチすることができた。
ジャーキングでツバスGET動画
(1)については、モジャコやツバスが口を使うくらいのベイトサイズまで落とすことは難しい。活性が高ければある程度大きくても喰うかもしれないが、そうでなければ「普段より小さいルアー」といっても、魚目線では大きすぎるのかもしれない。また、小さければ遠投しづらく、ツバスには届かない。
ツバスキラー「遠投マウス(弓角マウス)」
「弓角」と書いて「ゆみづの」と読む。日本古来の和製ルアーがルーツだが、現在は合成樹脂製で、写真の弓角は40mmと非常に小型ながら、太軸のフックが付いており、青物が掛かっても曲がったり折れたりすることがない。
弓角はシラスのようなマイクロベイトをイミテートした物だそうだ。こんな小型だから、当然遠投できない。そこで、ツバスが回遊している所まで弓角を送り届ける必要がある。これを担うのが、「遠投マウス」。
マウスに弓角を付けた長い仕掛けをキャスト。すると、重量のあるマウスが先行して弓角が遠くに着水する。ただ巻きを始めると、マウスは耳の部分が水面をバシャバシャと切り裂きながら戻ってくる。弓のような形になっている弓角は、水中をクルクルと回転しながらマイクロベイトを装って泳ぐ。水面のざわめきに気付いたモジャコやツバスが興味をそそられ寄ってきて、マッチ・ザ・ベイトサイズの弓角を見つけて喰う、という流れになる。
ジャッカルから販売されている「ジェットロー」なども、同じような仕組みとなる。