釣魚の王様「マダイ」。コマセ釣りや、房総のビシマ釣りや手バネのシャクリ、ルアーファンにも人気のひとつテンヤや鯛ラバ…。これだけ釣り方が多彩な魚は全国、世界を見ても貴重な存在。日本を代表する「王様」の呼び名に異論を唱える人は少ないはずだ。そんな同魚を狙い、コマセ釣りの名手永井裕策さんが静岡・土肥のとび島丸から出船。釣行を取材した。
マダイといえば
祝いの席には欠かせない食材のマダイ。
神奈川大船で居酒屋「だるまや」を営む永井さんに、釣行に続き腕を振るってもらった。
「魚を食べるのはあまり好きじゃなかった」という永井さん。釣りを通じて魚の概念が変わったという。
「魚屋さんに教わったりした自己流」と言うものの、通算数えきれないほどのマダイを釣ってきただけあって包丁さばきは抜群。定番からこの時期にピッタリの温かいメニューまでのフルコースを披露してくれた。
1.マダイのお造り
定番の刺し身。タイは1~2kg前後がさばきやすく、美味しいと言われる。
頭尾は切り落とさずに、エラ側から肛門に向けて包丁をいれ、エラと内臓を取り除き、3枚におろす。「片側ずつおろすとガタガタしてしまうので、最後に身を切り離すといい」と、話してくれた。
皮は引かずに、軽く塩を振って水分を抜いてからキッチンペーパーを掛け、皮側から熱湯をかけてすぐに冷やした、皮つきの湯引きで。
皮の部分に切り込みを入れると食べやすい。頭と尾の部分に大根の台で支え、串で姿を整える。
新鮮な魚であれば、魚体もアイシャドウも美しく、きれいに仕上がる。
2.マダイの塩焼き
ハリを飲み見込んでしまった小型などが釣れた場合は塩焼きがいいだろう。尾と背ビレは焦げやすいので塩を多めに。
3.マダイの鍋
刺し身に飽きたら鍋の具材につかってみては?。
クセがなく旨味の強いマダイは鍋物に最適。三枚おろしででたアラを出汁につかって塩で味を調え好みの味付けに。シンプルな塩味との相性は抜群。
また、刺し身で余ったすき身や中骨周りの身は捨てずに細かく刻んでネギとショウガ、片栗粉少々で鯛団子を作って加えてみてもいい。
4.マダイの空揚げ
こちらも刺し身に飽きたときにお勧めの調理法で、塩コショウで味付けし、片栗粉と好みで卵黄などで衣を作ってからっと揚げる。ビールにもぴったり。
祝いの席が多くなる年始。自分で釣ったマダイのフルコースで、もてなしてみては?
※取材協力:だるまや
<週刊つりニュース関東版 大高/TSURINEWS編>