冬の大阪湾の波止で大注目の釣りが、フカセで狙うチヌだ。今年もそろそろ面白い季節に突入し、釣果も上向いてきている。そこで今回は、この波止のフカセ釣りのチヌをクローズアップした。解説はこの釣りに精通した前西喜弘さん。ごくごく初歩的なことを解説してもらったので、ぜひ未体験の人もこの冬挑戦してみてほしい。
大阪湾のチヌ釣り
波止場のチヌは一年を通して様々な釣法で多くの釣り人を魅了している好敵手!
これから気温・水温が下りだして真冬になると、まきエサをまいて海底にポイントを作りチヌを寄せて狙う、フカセ釣りが最も釣果が上がる釣り方と言っても過言ではないだろう。
しかし、「茅渟の海」大阪湾での波止チヌのフカセ釣りの歴史は意外と浅く、私の知る限りでは20数年である。
チヌ釣り人気の理由
それが昨今では、晩秋から春の産卵時期である乗っ込みシーズンまで、長い期間狙うことができる最もポピュラーな釣り方になったのではないだろうか?
その理由には、チヌは沖波止、地続き波止に関係なく、水深や水温などにも左右されず、その場に居付く確率が高いので、気軽に出かけて釣果が得られるのと、特に水温の下がる冬場はエサ取りも少なくなり、アタリが出ればチヌの場合が多いことが挙げられる。
また、小型チヌも活性が下るので、50cmを超える年無しと呼ばれる大型チヌがサオを絞り込んでくれる可能性が高くなることもあるかと思う。
寒い冬季だが、ホットな波止のチヌフカセ釣りを体感してみてはいかがだろうか?
釣り場と釣り座の選び方
ポイント選びを誤ってしまうと折角のチヌのハイシーズンも台無し。まず釣行エリアを決めなくてはならない。
また釣り場(波止場)に着くとそこでも釣り座の選定をしなくては、釣果を得るのはむずかしくなる。波止のチヌフカセ釣りでもポイント選びは重要だ。
まず釣行エリアを決める際には、当日どの方向からの風が吹くか、天気予報で知ることから私は始める。
風裏になるエリアは言うまでもなく仕掛け操作なども楽だ。チヌの小さな食いアタリを見極めることも比較的イージーだ。
その他にも海水温の変動が風裏の方が小さく、チヌの活性が極端に下がることがないというメリットも考えられる。
サオを出す釣り座の選択も、潮が速く流れる灯台周りや波止場の先端部分よりも、潮流の流れが比較的緩やかなまきエサが海底に溜まりやすい中央部分を選択するといい。
一文字の波止場は大きなコンクリートのケーソンが、海底に敷き詰められた捨石の基礎に置かれているものが多い。
海底に打ちこんだ鋼管杭の上にケーソンがあるものもあるが、冬場のチヌフカセではいずれも水温の変動が小さいと考えられる基礎石などのカケアガリ付近やケーソン際の底を狙うのが一般的で、中層を狙うことはない。
以上の事を念頭に考えると、「風裏となるエリアの波止の先端付近を避けたポイントで、狙う層は起伏がある周辺の底を狙いましょう!」となる。