早いもので、TSURINEWSさんで記事を書かせてもらってから4年近くが経過した。私はもともとライター職が長く、本業をメインに時間を作りながらずっと書いている。今では釣りライターと言えるほど釣り関連が多いが、その他の仕事もある。誰もが気になるのが、「ライターって食えるの?」という点ではないだろうか?ぶっちゃけたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
釣りライターのぶっちゃけ事情
断言していいが、WEBライターは食える職業ではない。つまりこれ1本では絶対にいけない。私は本気を出せば1時間に12000文字書くことができるが、それでも最大に仕事が多かった20代後半にも20万円少しの月収しかなかった。
それが釣り専門という話になると、げっそりと報酬は減ることになる。また人間集中して書けるのは2時間程度で、集中力は年を取ると共に削られていく。何よりも目にダメージがくる。
伊坂幸太郎の小説に、PC関係の仕事をやめた主人公が、「目まで持っていかれる必要はない」と語っていたが、その通りだと思う。
食える?食えない?
食えない、と断言した通りだが、食えない、しかし良い職業だとは言える。
副業として考えると、かなり大きな収入になる。私はTSURINEWSさんで、今確認してみると1000記事近い量を書いてきた。それなりの収入にはなっている。部屋の一室をステラ御殿とできるかもしれない。いや、さすがにそれは無理か。まあまあ頑張っているのに、ちょっとリールが高すぎる……。
釣りが好きでたまらないならば、釣りライターは最高の副業だろう。嫌味な言い方になるが釣り好きでブランドを立ち上げようと思うとかルアーを作ると言っていて、それを実現している人を見たことはない。ライターには、とりあえず知識とPCで打つ文章力があれば誰でもなれる。
村上龍が小説家を「最後の職業」と言っている。ニートでも娼婦でも死刑囚でもなれる仕事だと。この言葉を借りるなら、ライターは「最初の職業」とも言える。誰でも初めになれる。だんだんと「資本がしっかりした職場」が信頼できなくなっている世の中で、ライターという副業を持っているのは強い。
釣りライターは「マニアックに」
釣りに行って、その釣行記を書くことから釣りライターは始まる。テストライティングでも確かそんな文章を書いたと記憶している。いくつかルールがあるが、パターン化すれば難しくない。
私はある時期に、編集部から、「もっとマニアックなことでもいいです。たとえばノットひとつのことで1記事でもいいです」と言われた。元来調子こきにできている私は、そこから異常に細かい自分の性癖をいかし、「なぜ紫カラーが効くのかなど」と根拠もないことを私論から立ち上げ、固めていっている。
一般論よりもマニアックに……というのが、求められることらしい。これから釣りライターになろうという人は、私論を奥深く突き詰めてみてはどうだろうか?そしてそういう思索は、何よりも心愉しいことだ。
どのようにライターになるのか?
私は自分が一人前のライターだという自負がある。その根拠は、SEO会社でライティングしていた時期に、徹底的に数をこなしたからだ。ここでは書けないようなことも書いた。清濁考えなかった。
この修行は結果的に必要だったのではないかと思う。ライターとして一人前になろうというなら、SEO会社での武者修行は確実に役に立つ。むろん、釣りライターとして適度な副業をしようというのもいい。しかし、多種多様な記事を書いて他のライターに揉まれることで得るものも多い。残念ながらそれでも食うことはできないが、「ライター」という職を手につけることができる。
<井上海生/TSURINEWSライター>