先日、なじみの散髪屋さんと釣りの話をしていると、「メバルってみんな小さくない?大きいのってどこにいるの?」と聞かれた。一瞬答えに詰まったのだが、「いるところに、います・・・・・・」と返した自分の言葉は、決して気取ったものでもなく、もったいぶったものでもなく、事実だと思う。今回は、大きなメバルがどこにいるか、私なりの考えを述べたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)
デカメバルはどこにいる?
大きいメバル、デカメバル、尺。アベレージサイズは15cm~20cm。地域によっては、20cmを超えたらほとんどマックスと言えるかもしれない。私は大阪湾沿岸でいつも釣りをしているが、以前明石でライトゲームをしていたときには、20cmを超えるメバルは滅多に来なかった。今はその理由がわかる気がする。
大きいメバルは、「いるところにいる」としか言えない。いくつか条件があって、それを満たしていたら、釣れる。サイズを問わなければどこにでもいる釣りやすい魚だが、大きいヤツを狙おうと思えば、意外に場所ゲーム、いわゆる「場所ゲー」なのだ。
大きいメバルを制するための3つのポイント
筆者の経験から、大きいメバルが巣くう場所の特性を、3つ紹介しよう。
リリースメインのポイント
これが何よりのキーだろう。魚がリリースされることが多い場所。もう少し具体的に言えば都市港湾部のような、海の見た目が汚くて、「ここで釣った魚は食べない方がいい」などと言われるポイントだ。リリースされると、その個体は生き抜いて、年に約5cmずつ大きくなっていく。
スレていないポイント
アングラーが滅多に立ち入らないポイントがある。たとえば、泉南ならば、観音崎という有名な消波ブロック帯があるが、あそこの凸凹はなかなか先の先まで歩いていこうという気にならない。車を降りてから相当歩かなければならない場所や、足場が厳しい場所は、やはり誰も立ち寄らないものだ。
そういう場所は魚が釣られていないので、大きいメバルの住処となりやすい。スレていないので反応も良い。
深めのレンジ
夜のメバルのレンジは主には表層。確率高く釣ろうと思うと、表層のトレースがメインになる。表層を徹底してやっても大きいのがひょいと釣れることもあるが、すべての釣り物でよく言われることに、「上のレンジで釣れるやつは小さい」との定説がある。
メバルもこれが一部当てはまる。メバルは大きいほど長いこと生きていて頭が良く、簡単に上に浮いてこなくなる。よく釣れるポイントの、ちょっと下や、壁ピタやスリットの奥には大きいメバルが潜むものだ。
闇磯に乗る必要はあるのか?
メバリングのYoutubeを見たり、プロのアングラーの話を聞いていると、「闇磯が一番デカいメバルが釣れる」とのことだ。これは、間違いのないことなのだろう。私は漁港と地続きの小磯くらいでしか釣ったことがないが、藻やストラクチャーのキワを突くと、ちょこちょこ良いサイズのメバルと出会うことができた。
しかし闇磯は、堤防とは別世界だ。釣り場へのアクセスも山ひとつ超えた先であったりと、行くまでのハードルと、ポイントに入ったときの危険度が高すぎる。筆者はそれよりは、沿岸のあっちこっちを打って、いい型が着いている場所を見つけることを勧めたい。
尺を深追いしすぎないことも大事
メバルのランカーサイズは、尺。30cmがすべてのメバルアングラーの憧れである。
しかし尺メバルは、一生に一度釣れるかどうかだ。筆者は幸運に恵まれて一尾釣ることができたが、それも5年前とかで、あのときの再現を、とそこまで執着していない。5月になると25cm級がよく釣れるポイントを見つけたので、そこで数を釣る方がよほど面白い。
サイズに関しては、その場で出る最大級以上のものを追い求めないことで、実はもっと気楽で楽しく、かつスリリングなメバリングができるのではないかと、そう考えを転換したい。
<井上海生/TSURINEWSライター>