年末年始でマダイの需要が高まるこの時期、海上釣り堀は注目のフィールドだ。というのも、普通ではなかなか釣れないマダイやシマアジが高確率で釣れ、青物にクエやヒラメといった高級魚も期待できる。この海上釣り堀の攻略法を、エキスパートの安田明彦さんに解説してもらった。ぜひ本稿を参考に、お正月のマダイをゲットしに出かけよう!
年末にぎわう海上釣り堀
年末を控えていろいろと忙しくなってくるが、特にこの時期になると、海上釣り堀は大賑わいをみせるものである。
お正月の魚を求める人が大半で、予約を開始するとすぐに埋まってしまうという海上釣り堀もけっこう多いようだ。
マダイとブリを狙え!
関西圏のお正月にブリは欠かせないし、にらみ鯛もとなると、海上釣り堀はうってつけである。ブリにマダイはもちろん、クエやハタ系の魚、トラフグが入っている釣り堀もあって、お正月の魚には事欠かないのだから、その人気も納得である。
ただ、トラフグやクエといった魚は、正直あてもの的な魚だから、釣れたらラッキーと思っていた方がいいだろう。一方、マダイとブリ、メジロは何としても仕留めて帰りたいターゲットだ。
放流される魚種
放流される魚種は、海上釣り堀によっていろいろ。
12月はまだ水温が下がり切っていない時期になるので、メインとなるのは、マダイ、シマアジの2大看板魚。
他にイサギやイシダイ、イシガキダイなど。大物は、なんといっても青物のブリ、メジロ、カンパチ、底物のハタマス、クエなどである。大物や高級魚が高確率なのが、釣り堀最大の魅力だ。
もう一つの海上釣り堀の魅力は、その手軽さにある。施設に行けば、釣りがまったく初めてでも、初心者でも、レンタルタックルは完備されており、マダイやブリが狙え、ある程度のエサも販売されている。
それこそ身体一つで出かけても楽しめるのが、海上釣り堀のいいところである。
海上釣り堀のシステム
釣行前に確認しておきたいのは、訪れる海上釣り堀のシステム。
例えば釣りスタート時は、マダイなどの小物類から狙うのが一般的だが、朝一番から大物のブリ、メジロ、カンパチといった青物を狙うことができたり、予約を入れる人数によっては、グループで釣り堀の一マスを貸し切ることができたりする。
予約をしたときにそのあたりをよく聞いておきたい。
また、海上釣り堀には行ったことがないという人でも、心配することはない。
「初心者なので、一から教えてほしい」と伝え、暇な時間帯(海上釣り堀は、早朝と帰る時間帯がもっとも忙しい時間帯にあたる)を聞いておけば、たいていの釣り堀はスタッフが釣り方をレクチャーしてくれるだろう。
海上釣り堀タックル
タックルは、海上釣り堀のレンタルタックルなら、マダイも青物も、どちらも狙えるサオとリールが用意されているはず。リールに巻かれたミチイトは同じで、マダイや青物狙いで、使用するハリスやハリを、使い分けていくというわけだ。
青物用はハリスが6~10号、ハリとしてはマダイの12~14号、マダイ狙いはハリス2~4号、ハリが伊勢尼の9~12号が一般的だろう。
釣具店に行けば海上釣り堀コーナーがあったりして、青物用、マダイ・シマアジ用と書かれたパッケージの商品を選択すると、大体そのような太さのハリス、ハリが使われている。
これから本格的に釣りを始めようという人は、ぜひ自前のタックルを用意しよう。その際、狙いの魚によって引きの強さが違うため、マダイ用、青物用でサオを使い分けるのが理想だ。
海上釣り堀のリール&仕掛け
リールはスピニングリールが一般的で、大物用は5000番クラス、小物用は3000番クラスで十分だ。
ミチイトは、ナイロンでもPEラインでもどちらでも構わない。
PEラインは、1mごとのマーカーが入っているので、タナがつかみやすい利点がある。大物用でPE5号、小物用でPE3号を50mも巻いておけば十分だ。
海上釣り堀の釣り方
釣り方はウキ釣りと、ミャク釣りとがあるが、一般的なのはなんといってもウキ釣り。
ウキの浮力は、マダイなどの小物用では2~4号、メジロ、ブリの青物用なら6~10号の浮力のウキを選択しよう。
あれば便利な道具は、サオ受け、タナ取りゴム、そして水汲みバケツだ。
サオ受けは、タナをかえたり、仕掛けのチェンジやエサ付けなど、または、置きザオでアタリを待ったりする時などに使う。
タナ取りゴムは、入った釣り座の前のネットの深さを測るもの。底を知ることで、タナを読めるようになる。
水汲みバケツは、エサ付けや、魚の身エサをカットした際に汚れた手を、洗うことができる。そして釣り終わりには、汚した釣り座を洗い流すこともできる。はさみやナイフなどは、釣りのときに使う必需品ともいえるので、もちろん準備しよう。
海上釣り堀のエサ
用意するエサは、マダイなどを狙うのに、ネリエサや鶏のササミ、虫エサ、シラサエビ(海エビやアマエビなども使う)から、かわったところでは、プチトマトなども使われる。
ブリ、カンパチといった青物用としては、なんといっても生きた小魚だ。
たいていの釣り堀で生きた小アジは売られている。他にイワシも効果的だ。やはりウロコの輝きがアジとは違い、青物の食いつきが違うときもある。
ほかに魚(サンマ、イワシなど)やイカの身エサ、カツオの内臓といったものも使われる。
こうしてエサを狙い物で使い分けるのは、釣り堀によっては、朝一番は青物狙いが禁止されていたりするため。そんな釣り堀では、朝一に青物がヒットする確率が高い生きエサや身エサを使うのは、マナー違反ともいえるので使わないことだ。