大阪南港で釣れたサカナは美味しい? 魚種によって大きく異なるのが現実

大阪南港で釣れたサカナは美味しい? 魚種によって大きく異なるのが現実

日本列島臨海部はどこもかしこもきれいな海ばかりではないわけで、やっぱりきちゃないというか、水質が微妙な場所はある。主に都市港湾部で、私はその最たる例とも言えよう大阪南港が最寄りの海だ。ここに素朴な疑問がある。「釣った魚は食べていいのか?」……私の実食経験から述べたい。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)

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井上海生

フィールドは大阪近郊。ライトゲームメイン。華奢なアジングロッドで大物を獲ることにロマンを感じます。

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大阪南港の魚は食べれる?

「ここで釣った魚、食べていいの?」と聞かれたら、「どうぞめしあがれ。でも食べるとまずいのもいるよ」……大阪南港で長く釣りをしてきた私は、一言ついでにそう附言する。

南港の海がどれだけアレかは、伝えづらいものがある。臭いも色もさすがにちょっと激しいものがあるが、とはいえ、絶望的な感じでもないのだ。私が釣り始めたこの10年でも、水質は明らかに良くなっている。えらいもので、この海に慣れてくると、「今日の海澄んでるな」と思ったりもする。ちなみに「嗅覚疲労」という言葉があり、何もかも臭いとそのうち慣れる、みたいな意味らしいが、それにも似てニオイにもまったく何も感じなくなる。

そんな「慣れてしまえば大したことない海」で釣った魚だが、実際食べてどうか?慣れ補正や贔屓目なく見て、汚染が強いのは確かなので、あまり食欲をそそるものではない……。

汽水域の居着きはやめておけ

南港にかかわらず汚染された海全般に言えることだが、汽水域の魚は食べてはいけない。

魚種で言えば、シーバス、ボラ、チヌ、キビレ。このへんは避けたい。ちなみにそこが汽水域かどうかは、海水には棲めないキビレがいるかどうかで分かるので、キビレが釣れたらその一帯のこれら中大型魚は食べない方がいい。それでなくても、沿岸のシーバス、ボラ、チヌは、食べる魚としては考えず、原則的にリリースだ。

大阪南港で釣れたサカナは美味しい? 魚種によって大きく異なるのが現実キビレの刺身……(提供:TSURINEWSライター井上海生)

上の画像は筆者がさばいたキビレの刺身だ。まずかったし、何より、ニオイをとることに苦心して、まあ大丈夫かなと思っても口に運ぶのにやはり息を止めるような警戒心が解けなかった。

小型の魚と回遊魚がオススメ

中大型魚を食べることはやめた方がいいが、小型魚はまったく問題がないと思う。たとえば、アジ、メバル、サバはOKだ。アジに関しては、私は水質が良いところよりも、南港の居着きの方が旨い気がする。沿岸はベイトが豊富でよく肥えて脂ものっているからだろう。

メバルは、私感だが、岩礁帯の赤メバルよりも回遊性の高い黒メバルよりも、居着きの白メバルの方がニオイがなくておいしい。沿岸部の白メバルは釣魚としては最高級の美食だ。

大阪南港で釣れたサカナは美味しい? 魚種によって大きく異なるのが現実おいしいよ、南港のメバル(提供:TSURINEWSライター井上海生)

中大型魚では、タチウオもうまい。回遊する魚で、年魚なので、身が汚染されないのだ。

底ベタの魚は微妙か?

ここまでは白、黒はっきりと食べる食べられないを語ってきたが、微妙なヤツらもいる。

それが、メバル以外の根魚だ。カサゴ、タケノコメバル、ソイ。このへんはほとんど回遊しない。沿岸にいる彼らは、ずーっとその一帯の海底を離れない。こいつらの何がちょっと危険かと言って、通年底ベタの魚なのだ。食べているベイトが、海底のヘドロの中のカニ類という話もある。カニを食べているのだが、その口にヘドロも入ってしまっている……。

カサゴは多少潮通しのいいところなら、まあ問題ないかなと思う。タケノコメバルはなかなかニオイが強いのでやめた方がいい。ソイは汽水域にもつくので、まあ論外か。

大阪南港で釣れたサカナは美味しい? 魚種によって大きく異なるのが現実赤いカサゴはうまいかも(提供:TSURINEWSライター井上海生)

筆者がカサゴをお持ち帰りする基準は、「表皮の色」だ。経験から言って、潮通しがいい海で釣れるカサゴは、表皮が赤っぽい。黒っぽい、黄色っぽい表皮のカサゴは、大体は汚染水域の個体で、おいしくない。カサゴは釣り人の親友と言えるほどどこでも釣れてしまう魚なのだが、だからと言って気を許して、都市港湾部の個体をなんでも持ち帰るのは微妙だ。

<井上海生/TSURINEWSライター>

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