秋はやっぱりおいしい魚を食べたい。この時期に最もおいしくなる魚といえば、カワハギだろう。ぽってり肥大したキモを目当てに釣行する人も少なくない。今回はそんな船から狙うカワハギに焦点を当ててみたい。
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乗船までの流れ
釣行日が決まったら、まず予約の電話をしよう。日時と人数を正確に伝えて予約完了。そして前日の午後7時すぎに出船可否の確認の電話をかける。この時に出船時間や出船場所の詳細、氷の有無をしっかり確認しよう。ライフジャケットがない人は、借りることが可能かも聞いておこう。
釣行当日は最低でも出船時間の30分前までには現場に到着しておく。土地勘がない人は、かなり余裕を持って出発しておくことをお勧めしたい。
乗合船の場合、釣り座は予約順だったりくじ引きだったりする。船長の指示に従い、釣り座が決まれば速やかにタックルと荷物を運び込み、サオのガイドにラインを通しておく。ここで仕掛けまで結ぶ人もいるが、船が走っているときに風でミチイトに絡んだりするトラブルが起きやすいので、ガイドに通してスナップ付きサルカンを結ぶだけにしておこう。
船カワハギの釣り方
さて、ポイントに着いて船長から釣り開始の合図が出るまでに、ハリにエサを付けておく。アサリは水管と呼ばれる部分からハリを入れ、黒いキモの部分にハリ先がくるように刺す。冷凍ウタセエビなら1cmほどに切って、ハリ全体を覆うように刺しておく。
そして船長から合図が出れば、仕掛けを投入。オモリの号数は船長から指示があるので、必ずそれに従おう。オモリが底に着いたら、少しサオを持ち上げてオモリを底を小突く感じで誘う。
この釣りでエサ取りは税金のようなもの。掛かってくるのがベラやフグばかりなら、誘うスピードを上げよう。素早く動かしてピタッと止める。静と動のメリハリをしっかりつけてやるのだ。
誘いはタタキ釣りを覚えよう
カワハギ釣りのマニュアルには、タタキ釣りやハワセ釣り、たるませ釣りなどさまざまなメソッドがあるが、まずはタタキ釣りを覚えよう。
オモリを底に着けたまま、穂先でたたくように誘いをかける。そしてピタッと止めてアタリを待つ。速く動かしている間はカワハギはもちろん、エサ取りもエサを食えない。焦らして焦らして、警戒心を薄めさせてからエサを止めると、たまらず飛びついてくるわけだ。
そして前述のようにオモリを小突く誘い。タタキ釣りの派生だが、要は細かくたたく誘いから大きくたたく誘いに変えるというだけ。
底から上げて誘う方法も
この2通りの誘いをまずは行い、あまりにエサ取りしかいないようであれば、思い切って仕掛けを2~3mほど上げてみよう。カワハギは思っている以上に底から浮く。ベラなどはあまり底から離れないのだが、カワハギは意外に浮いていることもある。
いったんオモリを底まで落としたら、素早く2~3m巻き上げてしばしステイ。アタリがなければシェイクを入れて誘う。この誘いはイカメタルなどでも多用されるアクションだ。
タタキ釣りでも仕掛けを上げて誘う釣りでも、アタリが出るのは止めたときだけ。誘う手を止めた瞬間は、全神経を手と穂先に集中しよう。
やり取りと取り込み後の注意
首尾よく本命がヒットしたら、一定のスピードで巻き上げること。ポンピングはご法度だ。ポンピングはテンションが抜けやすくバラしやすい。よほどのサイズでない限りは、サオで抜き上げれば問題ない。
釣った後は必ずハリ先をチェック。なまっていれば即交換だ。ハリ先を爪の上にのせて滑らせ、引っ掛かって止まるようであればOK。スーッと滑るようであれば、これも即交換だ。
以前にアユの名手に聞いたことがあるが、「面倒くさい」、「まだいいか」はダメ。マメに交換する人ほど、釣果は伸びるのは間違いない。本命でなくとも外道を釣っても同じ。必ずチェックし、フグなら無条件で交換してもいいほどだ。
カワハギの持ち帰り方
釣ったカワハギは、胸ビレの横のエラにナイフを入れ、海水を入れたバケツに入れておけば血が抜ける。10分もすれば血が抜けきるので、氷をたっぷり入れたクーラーボックスに入れておこう。
<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>