5月も後半に差し掛かった頃には北海道も気温がようやく安定し始め、蝦夷春蝉が一斉に鳴き始めます。蒸せ返るような新緑の香りと春蝉の合唱、そして周囲を飛び回るブユやメマトイに苛まれながらとある渓に新規開拓に行ってきました。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・小峠龍英)
尺クラス連発
謎の個体をリリースして釣り上がっていきます。イワナの活性は非常に高く、要所要所で尺クラスが次々と飛び出してきます。30~40cmクラスをコンスタントに釣り上げ上流の砂防堰前までで既にツ抜け。
しかしここまで釣り上げたイワナ達はどれも細かな特徴の差はあれど朱点を持った個体はゼロで、ますます謎は深まるばかりです。
期待薄のポイントもチェック
人造の砂防堰は、魚の遡上を阻む原因なのが明らかで、釣り人には歓迎されるものではありません。これまでの経験からして砂防堰の向こう側で良い思いをした事はほとんどなく、今回も大した期待をせずに竿を出してみました。
無数のイワナが釣れる
5gのスプーンをキャストしてゆっくり引いていくと何やら水中が騒がしい様子、無数の20cm前後の魚がスプーンに群がってきたので最初はウグイかと思いきやすべてイワナでした。
そこでスプーンの重さを7gに変更して遠投すると、尺上クラスがすぐにヒットします。そこから連続して25~35cmクラスを数匹釣り上げたところで、今度は68mmの大きめなミノーに変更します。少し沈めてからジャーキング、一旦停止を繰り返します。
初めは小型イワナがジャレついてきましたが、停止中に突然それらを押しのけるかのように大型が底から食いあげてきました。ロッドに乗った重さから40cmクラスは確定、ダッシュを何とかいなして掬い上げると、見事な太さのイワナがネットの中で横たわっていました。
メジャーを当てると44cmもあり思わずニンマリ。しかしながら足場の悪いポイントなため写真撮影ができる場所がなく、魚をいつまでも陸にあげておくわけにも行かないのでそのままリリースしました。
謎のイワナの正体はわからず
堰の上の個体にも朱点は無く、謎は深まるばかりで車に戻る道中、頭の中は?で埋め尽くされていました。帰り道の車中で思い至ったのは恐らくあの個体はエゾイワナとオショロコマの交雑だったのではないか、というものでした。
地図で調べてみたところ、あの川の源流部にはオショロコマが生息しており、現に昨シーズンに多くのオショロコマを釣り上げた記録があります。大雨もしくは雪代の影響で下流まで流されたオショロコマは、砂防堰で上流に戻れずそのまま下流でエゾイワナと交雑した、と考えられますが、あくまでも推察です。
実際のところは何も分かってない状態ですが、個人的にはそのままそっとしておきたいところです。
<小峠龍英/TSURINEWSライター>