6月の初め、梅雨の谷間に泉佐野一文字に釣行。苦戦する釣り人が多い中、複数の常連が好釣果をあげていた。私(筆者)も38cmのカンダイ2匹の釣果に恵まれたが、この日は経験と工夫が釣果の決め手となったようだ。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)
小アジが1匹しか釣れず苦戦
当日の私の作戦は、早朝に竿下サビキ釣りでデカアジ、小アジを狙い、以降は周りの状況次第で、青物狙いのノマセ釣りか、チヌ(クロダイ)狙いの落とし込み釣りに転じようというもの。
しかし、その甘い目論見は早々と崩れてしまった。朝マヅメの時合いは一瞬で過ぎ去り、釣れたのは小アジ1匹とカタクチイワシ3匹という惨状。そのうえ大激戦区の波止の外向き(沖向き)は釣り人で埋まり、釣り座の移動も出来なくなってしまった。
泣く泣く外向きでのノマセ釣りは断念し、苦し紛れに小アジを内向きにちょい投げで沈めて、ヒラメやマゴチを狙う沈め釣りを試みたが、虎の子の一匹だった小アジは食い込まれることなく噛み跡だけ付けられて失敗に終わった。
竿下サビキにカンダイ38cm
潮の動きも悪くなり、北端の常連が小アジをポツリ、ポツリとキープするほかは、周りも沈黙状態に陥ってしまった。辛い時間がしばらく続いたが、潮が再び動き出すと、海から何か違う気配が感じられた。
沖向きではナブラが頻繁に現れ、ルアーマン達が一斉にキャストを繰り返す。魚の気配が何となく漂い出した。その勘が的中したのは8時前。私の竿下サビキの置き竿が、突如、グッ、グッ、グウゥーンと海面に舞い込んだ。
勇んで竿を手にすると、魚の強い手応えが伝わってきた。慎重に巻き上げると、一番下の針にコロっとした魚体のカンダイが食いついていた。ドキドキハラハラの心中ながら、無事タモ入れに成功。検寸すると38cm。
写真を撮った後は即座に獲物を〆て血抜き、エラと内臓処理を手早く済ませてクーラーの中に収めた。
タックルとエサに一工夫
サビキ釣りに掛かったカンダイは、確かに偶然に釣れた外道には違いないが、タックルとエサに一工夫を施したことも一役買ったように思う。
竿下サビキ釣りのタックルは、磯竿5号5.4mにミチイト5号を巻いた両軸リールをセットし、サビキはケイムラ仕様の9号針にハリス3号の太仕掛けをチョイス。
撒き餌カゴはサビキの上下それぞれに付けるダブル方式とし、上カゴとサビキの間にクッションゴムを介し、下カゴにはテンビンをセットして、その先にも3本針のサビキを付けた。また、サビキ針のうち3本にアクセントとして青イソメを付けた。
オキアミではなく青イソメを刺しエサに選んだのは、過去の泉佐野一文字での釣行経験によるものだ。ただのサビキ針のままではカンダイは興味を示さないが、私の様々な工夫が功を奏して、カンダイが食いついたのではないだろうか。
常連がノマセ釣りでブリを捕獲
8時半頃から帰り支度を始める釣り人が出始め、朝一番でブリを仕留めた常連グループも手仕舞いにかかったが、突如「来たんか?え?」と叫び声があがった。
時折聞こえるジジーッと鳴るドラグ音、ノマセ釣りで粘っていた常連グループの一人が大捕り物に突入した。仲間がタモ網を手にスタンバイすると、「ブリあるぞ!」と激が飛ぶ。
波止際の攻防を制し、連例プレーでネットインした獲物は、これまた一目でブリと判るビッグサイズの魚体だった。常連グループが仕留めたブリ2本は、経験と腕前のなせる業だと感服させられた。