待ちに待った春アジの回遊がやってくる……はず。この時期の沿岸の回遊は賭けの要素も高いので、なんともいえないが、アジが入りやすい場所はある。条件の整った場所をうまく狙って釣れば、大きな春アジと出会える可能性が高い。春アジングは次の5つの条件に照準を合わせよう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
春のアジング
秋のように常夜灯下、潮の上げ下げだけ見ていては、なかなか外しやすいのが春アジングというものだ。基本的に春のアジは着き場所に入りきるわけでなく、行動原理を言えば、「産卵のために一時的に入ってくる」のだ。そして産卵後、体力を休めるために一時留まる。産卵アフターになってしまうと極度に少食になってしまうため、春アジはなるべく早いうちに釣ってしまいたい。
また卵でお腹がいっぱいの腹ぱんぱんアジも釣りにくい。産卵前の荒食いの時期は本当に限られているので、いい気配がしてきたら海に日参したい。いるかいないか。春は、回遊の有無もムラがあるので、うまく条件を見極めて釣ろう。
5つの条件で探せ
次の5つの条件が、産卵前アジを探す超重要な点となる。
藻場
なんといっても藻が少しは欲しい。アジは魚卵を隠すために、藻場に産卵する。藻でなければ、堤防際だ。特にアーバン・アジングでキワやボトムが釣れやすいのには、こういう理由がある。キワや海底には何かしら藻や地形変化がある。そこに卵を隠そうとするのだ。藻が繁茂している消波ブロック沿いでも、ちょっと投げたところは回遊の一級ポイントである。
深場
同上の理由(藻が繁茂しやすい、地形変化がある)で、卵を隠せることから、深場でも産卵前のアジをとらえやすい。ボトム周りは特に集中して攻めたい。
バチ抜け状態
多毛類が産卵のために海底から浮上してくる、いわゆる「バチ抜け」状態も、春アジングには最高の条件である。バチ抜けの海ではシーバスが何より幅を利かせるが、逆にいえばこの時期はあまりシーバスはアジを追いかけ回さない。シーバスと微妙に違うレンジで、ワームを落とし込んで巻くかクネクネ動かすかすると、産卵アジの捕食のスイッチが入るだろう。
必然的に回遊するルート
たとえば向かって左から潮が流れているとして、右側に藻場がある。とすれば、潮上である左側から釣り人正面に向けては、必ずアジが回遊してくる場所となる。
レンジが合わせにくいのがポイントではあるが、回遊性の高いアジはある程度重いリグでシェイクしていると反応が早いので、そんなに捕まえにくくはない。地形的にアジが必然的に回遊するルートを見つければ、春アジは釣れる。
居着き
厳密に区別するのは難しいが、春の水温で活性が高くなってきた居着きのアジを狙うのもいい。夜っぴてアジングをするならば、やはりカギとなる群れは居着きだ。反応しやすい居着きを探す。
居着きのアジの体色は特徴的な金色を帯びている。あまり長くワンポイントで釣っているとスレてしまうので、回遊の群れ→居着きと狙いを移すといいだろう。
夕マヅメ&朝マヅメがチャンス
マヅメの時間が大チャンス。これは釣りのすべてであり、春アジングでも変わらない。春時期のマヅメというと、朝夕ともにおよそ6時頃だ。
マヅメのアジはプランクトンパターンになる前に、ベイトフィッシュパターンのような俊敏な動きをするので、1.5級の重めのリグをシェイクさせると食わせやすい。アジには、視界に入って、一度消えてまた落ちてくるものに弱いという習性がある。縦の動きを意識して、早めの誘いをかけてみよう。
アフターになる前に釣る
先述したように、春アジは産卵を終えると、かなり釣りにくくなる。筆者は、抜けたとまで判断する。海水温的には抜群にアジに合うはずなのだが、おそらく外敵であるシーバスやチヌの動きがよくなっていくので、沿岸にいるのが怖いのだ。
産卵後、体力が下がった群れは反応させにくく、また外敵に怯えてすぐ出ていくので、必ず産卵前に釣ろう。
<井上海生/TSURINEWSライター>