幻と言われる魚は、意外に多く存在する。クエやイシダイなどがそうだが、個体数が少なく、非常に釣るのが困難なことから幻といわれるようになった。そんななか、数年前から一気に注目を浴び始めた幻がシロアマダイだ。今回は近年そのシロアマダイが狙って釣れる三重県・紀伊長島三浦沖へ出撃。人気沸騰中の幻を狙ってみた。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
高額販売されるシロアマダイ
日本近海で釣りのターゲットとなるアマダイは3種。アカアマダイ、キアマダイ、そしてシロアマダイだ。最も個体数が多く、釣りのターゲットとして確立しているのがアカアマダイ。日本海の若狭湾で獲れたアカアマダイは、若狭ぐじと呼ばれブランド化されている。キアマダイはポピュラーではないが、駿河湾や相模湾のアマダイ狙いで交じることが多い。
そして今回のターゲットとなるシロアマダイは、3種のアマダイの中でも最も個体数が少なく、希少な魚だといえる。某ネットスーパーでは2kg前後の大型が10万円近い値で売られており、この値段だけでもいかに希少な魚かお分かりいただけると思う。
シロアマダイは浅場にいる
シロアマダイのもう1つの特徴として、アカやキに比べて比較的浅い海域に生息しているということ。アカやキは水深100m前後の深場に多いが、シロは深くても60mまでの水深での実績が圧倒的に高い。三重県の五ケ所湾では、たまにイカダでも上がっており20mより浅い水深にも入ってくるようだ。
レンタルボートで出撃
今回釣行したのは3月8日。お世話になったのは、三重県・紀北町紀伊長島三浦のフィッシング光栄だ。今回は船外機付きのレンタルボートを借りて幻を狙ってみる。
同行してくれたのは、形状記憶合金を使った夢の天秤や、神経絞めで用いる鮮度たもつ君でおなじみ、吉見製作所の石川さん、がまかつフィールドテスターの渡邉敦さん、そして知多市のサップアングラー、牧田亘さんだ。キャプテンは渡邉さんが務めてくれる。
フィッシング光栄では、19ftと21ftの船外機付きボートを借りられ、シロアマダイだけでなくエギングやタイラバ、ジギングなど好きな釣りが楽しめる。船舶免許がない人には仕立船がお勧め。同地のポイントに精通したカリスマ船頭こと佐々木良治船長が、アングラーの要望に応じた釣りを楽しませてくれる。
数年前までシロアマダイはシーズンを通して2~3匹しか見なかったらしいが、2年ほど前から一気に好釣果が出始め、いい日にはシロアマダイが船中2ケタなんてことも。個体数が急増したのか、今まで狙っていなかっただけなのか分からないが、狙って釣れるターゲットになりつつある。