私の釣車の走行距離は10万kmをゆうに超えました。しかし、まだまだ愛情が消えないため、もうしばらくは海への長旅につきあってもらうつもりです。そこで、今回は「これからの愛車とのつきあい方」を、釣車の整備でいつもお世話になっている整備士さんに聞いてきました。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター松永一幸)
長距離走る釣車で注視すべき箇所
どうしても、長距離を走りがちな釣車。そこで、まずは走行距離が伸びてきたときに注視すべき箇所から紹介します。
CVT(無段変速機)の誤動作
停車間際や加速時に「ダッダッダッ」と、車内にまで響く振動が出たりしませんか?
それは「ジャダー」といわれる症状です。CVT内の金属ベルトが、駆動プーリーを動かす際に、誤作動を起こしているのが原因です。そのまま放置すると、破損して走行不能になる場合もあります。
「ジャダー」の対処方法としては、「CVTのオイル全量交換」がお勧めです。
さらに、「トルコン太郎」を使って「圧送交換」することで、トラブル解決の切り札になります。内部のフランジをすべてフィルターでキャッチし、CVT内部のすべてのオイルが「新品オイル」に入れ替わることで、従来の性能を取り戻すことができます。
ウォーターポンプの交換
ウォーターポンプは、エンジンの冷却水を循環させる、大事なパーツのひとつです。
これまでは、タイミングベルトがゴム製の車にお乗りだった方は、「タイミングベルトの交換」と一緒に交換するのが定番でした。
しかし、昨今の車では、タイミングベルトでは稼働しておらず、外部ベルトでの稼働となり、交換の時期があやふやに感じますが、初期症状が出たら点検・交換を依頼するのが、無難と思います。
初期症状の特徴としては「独特の音」がします。エンジンが止まる間際に、「キュッ」とゴムが擦れるような音です。
ベルト類(ファンベルト・エアコンベルト)の交換
ベルト類は、36ヶ月経過、もしくは走行距離が60,000km毎の交換がメーカー推奨になります。
筆者のように、よく海へ釣りに行かれる方は、「潮風」と「夏場の高温下」の走行による影響を受けて、街乗り使用の方と比べるとベルト類の劣化スピードが早いといえますので、「短いスパンでの交換」がお勧めです。
また、ベルト類のトラブルの原因になりやすいのが、「ベルトテンションの張り過ぎ」です。ご自身で、セルフメンテナンスを行う方は、この点に注意が必要になります。
ベルトテンションを強くする行為は、「鳴きを止める」改善策としてよく使われますが、それは勘違いで、実はかえって症状を悪化させてしまう行為になります。さらに、強いテンションからほかのパーツへ悪影響が伝わり、思いもよらぬ故障につながりかねません。
適正テンションで鳴きが出る場合も、ベルト交換の時期になります。