秋のマダイのシーズナリーな動きとして、上から下に動くものに興味を示すことが挙げられる。このフォールの一つのアプローチとして〝同調〟というパターンがある。今回、そのアプローチでしか口を使わないシチュエーションがあったので、実釣とともにテクニックを紹介しよう。
横に誘う釣りで苦戦
9月、福岡県宗像市・神湊港から出船するセカンドステージで大島沖に入った時のこと、水深は60~70mのエリアで、馬場さん、プロショップDEEPER店長の真理さんらと釣行し、タイラバでマダイを狙った。
この釣行で私と真理さんはドテラ釣りを、馬場さんは同調の釣りを行ったのだが、ドテラのアプローチではタイラバにバイトまではあるが、ショートバイトで食い込まない。
そこで、私はまずタイラバの形状、波動の強さ、カラーの効果などを検証。よりマダイとの間合いを詰める工夫をした。
タイラバゲームで言えばルアーセレクトのジャンルになるが、当日のマダイ攻略のカギはそれではなく、釣り方やアプローチの部分が重要だと気付かせてくれたのが、馬場さんが釣る複数のマダイであった。
馬場さんはスピニングタックルで、可能な限り船が流れていく方向にキャスト。その後、タイラバが着底するまで待ち、リトリーブを開始するということを繰り返していた。その際、横に誘う私のタイラバにショートバイトがある時に、そのバイトをしっかりフッキングまで持ち込み、マダイをキャッチしていったのだ。
同調の釣りに変えると!?
この同調の釣りに関しては後で解説するが、馬場さんは森下船長が選ぶピンポイントで、マダイ3kgクラスを複数尾掛けていく。
そこで私らも同様に釣り方、誘い方を同調にすると、これまでショートバイトで終わっていたバイトが、本アタリに変わっていったのだ。
タイラバでは選ぶルアーのカラーであったり、波動の強弱であったり、巻きの速度などが重要視されることが多いが、そういったルアーに起因する要因ではなく、アプローチの角度であったり、フォールさせる速度でマダイの警戒心を解く原因になる。
この現象、これまでも同調を使って釣りは行っていたが、明確にその違いが出ることはなく、私にとってもその効果を再確認させてもらう経験であった。タイラバとはルアーフィッシング、その意味と認識を改めて思う釣行であった。