真冬のイカダカカリ釣りで53cm&45cmと大型クロダイ手中【三重・元丸渡船】

真冬のイカダカカリ釣りで53cm&45cmと大型クロダイ手中【三重・元丸渡船】

12月に入り寒さも本格的になってきたが、カキエサで狙うカキチヌや、三重県南部の大型クロダイはこれからが面白くなる。第一級の寒波が猛威を奮い、北海道や日本海側でドカ雪による被害が多発するなか、冷え込みのキツい12月21日、冬季に強く、とにかく大型クロダイがそろう三重県尾鷲市賀田湾の元丸渡船に釣行した。

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(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 山本太郎)

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海釣り施設 イカダ&カセ

元丸渡船でカカリ釣り

午前6時30分出船。所々に晴れ間がのぞくものの、今にも雨が降りだしそうな天候。当日のポイントの2号は、トイレ、テント付きのこじんまりとしたイカダだ。

同行者が1号向き、私は沖向きに構える。水深は約15m、潮流は穏やかでゆったりと流れる程度だが、どちらの方向であれ動いている方がクロダイは口を使う。

持参したエサは、マルキユーのスーパーハードBIGのL、激荒、活丸さなぎ、ボケ。情報からもオキアミとボケが軸になりそうだ。タックルは、シマノのイカダリミテッド7対3、リールはセイハコウリミテッドRC83、ラインは東レの筏かかり参2号、ハリは勝負ちぬ筏4~5号。

生命感乏しく苦戦

ひと通りの準備が整い、まずはボケエサでモーニングを試してみる。直下、周辺を探ってみるが反応はなし。3投であっさり見切りをつけた。

ダンゴは私の鉄板のパワーダンゴチヌ1袋、大チヌSPハイパー1袋、生オキアミクラッシュ2kg。ダンゴ釣り開始はオキアミから。握る回数が少なかったのか途中で割れてしまったので、そのまま中切りで落とし込むが、オキアミだというのに何事もなく着底した。予想通り底も生命感はないが、想定内だし、これが冬の釣りだろう。

真冬のイカダカカリ釣りで53cm&45cmと大型クロダイ手中【三重・元丸渡船】当日の釣り座(提供:週刊つりニュース中部版 山本太郎)

ダンゴを握る回数を3回増やすと、キッチリ着底し約15秒で割れる。私の握り回数で18回前後が基準だ。数投目に再度、着底前に割れ(中切られ)たので、そのまま落とし込むと、ド派手なアタリで25cmの小ダイがきた。

その後、底をメインにダンゴを効かせていくが魚の活性は上がらず、ほとんどエサが取られない。しばらくしてボケエサで同型の小ダイを追加しただけで午前11時30分を迎えてしまった。気持ちを切り替えるため、少し早めに昼休憩を取り、正午すぎに再開した。

53cm年無しクロダイ手中

その2投目、これまでの状況とは一転し、弱々しくではあるがダンゴアタリが出た。ここが踏ん張りどころ。クロダイの使者ボラだと思うが、せっかく寄り始めてくれたチャンスを逃すわけにはいかない。釣れるか否か、この後の進め方次第で運命の分かれ道となる。

着底してから1分ほどの短いスパンの打ち返しを重視し、ボラを離さないように心がけるが、それでもつっついたり、つっつかなかったりで実に不安定。シチュエーションは整わず、本命が入ってくる感じはない。

真冬のイカダカカリ釣りで53cm&45cmと大型クロダイ手中【三重・元丸渡船】クロダイとのやり取りの様子(提供:週刊つりニュース中部版 山本太郎)

だが少しダンゴアタリが強く出た次の瞬間、割れた後に仕掛けをなじませた1分後、かすかなアタリでジワッと穂先が押さえ込まれた。まだ本命がくるステージではなく半信半疑でやり取りするが、疑わしいクビの振りからだんだんとそれらしい強い引きに変わってきた。潮は冬らしく透明度が高いので、すぐに魚体は確認できた。

久しぶりにデカイ!タモでキャッチしてメジャーを当てると、53cmのコンディションのいいクロダイ。すぐに足止めのダンゴを入れ、すかさず次を狙う。

続釣狙うも反応なし

サシエサはオキアミだったので、パターンを崩さないよう同じ状態を忠実に保つ。だがそんなに甘いものではなく、また午前中の状況に戻り、さらにはダンゴアタリも皆無となった。

それにしても不思議なものだ。こんなシチュエーションで、なぜ本命が入ってきたのか。どちらかといえば、賀田の釣り場もボラはやはり方程式になる。ダンゴアタリの主はボラではなくクロダイだったかもしれない。

これまでにも何度も経験しているが、クロダイの時合いと察知して仕留めた場合と、そうでない突然の場合では続き方が違ってくる。案の定、その後はさっぱりで午前中の状況より悪くなった。

賀田の水深は約15m。それほど深いとはいえないが、厳寒期でもクロダイは浮きやすい。コーンやオキアミ、ボケの中切りも頻繁に試してみるが、反応もないまま無事に着底した。

痛恨のバラシ

午後3時30分、納竿まで1時間半。焦りはマックスだが、状況に若干の変化が。中切りで30cmのアジがきて、底でもオキアミならジビジビとかじられる。このあたりで当日のサシエサはオキアミだと絞り込んでいたが、その読み通り、BIGのLの2匹刺しでサオをバッグの上に置いた直後、穂先がものすごい勢いで押さえ込まれた。

慌ててサオを握り、アワせる間もなくやり取り開始。アワセを入れられなかったのが心配だったが、向こうアワセで大丈夫だろうと高をくくった瞬間、フッとラインテンションが抜けた……。ハリ外れだ。この厳しい状況下でバラシはつらすぎる。まだまだ未熟だ。釣りにゴールはない。

ハリ先とラインを確認し、引き続きオキアミの1匹掛けと2匹掛けを交互に試す。そして午後4時、今度はコーヒーを飲むためにサオを置いた。10秒ほどだったのに、クロダイはまるでその光景を見透かしているかのよう。先ほどよりも強烈なアタリで、サオが持っていかれそうだった。

これも重量感たっぷりだったが、半分くらい巻き上げたところでハリ外れ。ついていないときは不運が続く。放心状態とまではいかないが、落ち着かせるために少しの間サオを置くことにした。

コンディション抜群の45cm追釣

ふと見ると同行者のサオが大きく弧を描いて戦闘態勢だ。引きからして本命のよう。無事取り込んだのは、これもブリブリの脂が乗った52cmの年無し。ひと安心した。

すぐに釣り座に戻って再開するが、手持ちにするとアタリはなく、置きザオにすると途端に激しいアタリ。ようやく無事に取り込み、思わず「よし!」の言葉がもれた。45cmあり、全てコンディションは素晴らしい。

真冬のイカダカカリ釣りで53cm&45cmと大型クロダイ手中【三重・元丸渡船】カカリ釣りで45cmクロダイ(提供:週刊つりニュース中部版 山本太郎)

時計に目をやると午後4時50分、2人ともまだきそうな予感と気配もムンムン残っており、サオを仕舞えない。けれどタイムアップ。桟橋から船が出たところで諦めた。

今回は自分の単純なミスから厳しい状況に追いやってしまったが、それでも2人で年無しクロダイ2匹を含む計3匹の釣果だった。賀田はこれからが大型クロダイの本番。皆さんも自己記録更新を目指してみてはどうだろう。

カカリ釣りチャンネル開設

2022年の夏にスタートした『山本太郎のチヌ釣りスキルアップサロン』に続き、ユーチューブに『山本太郎チヌ釣りチャンネル(黒鯛一魂)』が開設された。

内容は充実しており、三重県釣行を主体にカカリ釣り師が「知りたい」「見たい」と思っているサシエサや攻略法を惜しみなく映像で解説している。興味のある人は、ぜひチャンネル登録を。

<週刊つりニュース中部版 山本太郎/TSURINEWS編>

▼この釣り船について
元丸渡船
料金:4000円<
この記事は『週刊つりニュース中部版』2023年1月13日号に掲載された記事を再編集したものになります。