エサ取り名人として名高いカワハギ。独特のおちょぼ口でエサをかすめ取り、釣り人を悶絶させ続けているが近年はそのエサ取り名人をハリに掛けるゲーム性が指示され、熱狂的なカワハギマニアまでいるほどの人気ぶりだ。秋はキモが肥大して、食味もアップする季節。今回は船からのカワハギ釣りについて解説してみたい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
沖釣り好敵手カワハギ
秋の沖釣りといえば、釣り物が豊富で迷ってしまう。マダイも青物もタチウオも魅力的だが、今回紹介するのはカワハギだ。マダイのような豪引でもないし、青物のようなドラグを滑らせるほどのパワーもないが、釣り人を魅了してやまない超のつくほどの人気ターゲットだ。
その人気の秘密は、なんといってもゲーム性だろう。繊細なアタリを捉えて掛けたときの爽快感。まさに知恵比べに勝った瞬間だ。海の中に思いを馳せ、鋭敏な穂先から伝わるシグナルで状況を瞬時に判断し、その小さな口に独特の形をしたハリを掛けていく。
一瞬の判断の遅れが釣果に天と地ほどの差を生み出してしまい、その落差に釣り人は激しく一喜一憂するのだ。スピードもパワーも特筆すべきものはないが、これほど釣り人を熱くさせる沖釣りのターゲットは他にないかもしれない。
と、少々大げさに書いてみたが、ゲーム性の高さは他に類を見ないほど高いことは間違いない。先ほど特筆すべきものがないと書いたが、キモが大きくなるこれからの時期の食味は他のターゲットにはない魅力だ。こってりとしたキモと薄く切った刺し身のキモあえはまさに絶品。痛風持ちの人には気の毒だが、この時期ならではの味覚を楽しめるのは、釣り人の特権といってもいい。
船カワハギ釣りのタックル
カワハギ狙いの基本的なタックルを紹介しよう。
ロッド
各メーカーから、多種多様な専用ロッドが発売されている。一日手持ちで行う釣りなので、そのことを念頭においてなるべく軽量なものを選ぶようにしよう。
リール&ライン
小型のベイトタイプ。カウンター付きは必要ない。そんな水深のある場所ではないので、手返しの面でもハイギアタイプがお勧めだ。
巻いておくミチイトはPEラインの1号。慣れてくれば0.8号まで落としてみよう。水切れの良さと感度がアップする。穂先絡みを防ぐために、フロロカーボンラインの3~4号を50cm~1mほど接続しておこう。
カワハギ釣りの仕掛け
まずは市販のものから始めよう。胴つき3本バリが基本なのだが、この釣りはハリの交換を頻繁に行う。そのためミキイトとハリスの接続が回転ビーズとハリス止めで作られているものを選ぼう。ミキイトと直結している仕掛けよりも高価だが、ハリの交換を考えると断然費用対効果が高い。
ハリはハゲバリタイプとキツネタイプがあるが、最初は両方購入して釣行を重ねるごとに自身の釣りとマッチしていくハリを見つけていこう。
オモリは釣行する海域によって違ってくるが、おおむね30号が基本。状況に合わせて使い分けていくこともあるので、25~50号ぐらいを用意しておく。場所によっては根掛かりでロストすることもあるため、各号何個かずつ用意しておきたい。
また仕掛けの上にセットする集寄板だが、魚を寄せる効果もあると思うが、アタリの伝達の抵抗にもなる。慣れてくるまでは付けなくてもいいと思う。
また根掛かりのないポイントで仕掛けを底にはわせるハワセ釣りでは、仕掛けの上に中オモリを付ける。こちらもさまざまな釣法を試していくうちに、必要だと感じれば購入しよう。最初は余計なものは付けず、仕掛けとオモリだけというシンプルなもので始め、必要に応じてその他のアイテムをそろえていくようにしよう。