美味な高級魚の代表格アカムツは、中深海(中深場)釣りのトップスター。それだけに気位が高い?のか、釣果に差が開く釣り物でもある。今回、効果的な仕掛けの使い分け術とともに、オーナーばりの西馬さんと訪れた遠州灘での実釣を通し、攻略の様子をレポートしたい。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS編集部・五井)
遠州灘でアカムツ釣り
10月5日、オーナーばりの西馬さんと遠州灘を訪れた。乗船したのは静岡県磐田市にある福田港の大寿(だいじゅ)丸。周年アカムツ釣りを楽しませてくれる船で、遠く東京から足を運ぶ人もいるほど評判だ。
「中深海吹き流し仕掛」
入ったのは、水深250m前後の場所。船長からは「吹き流しで」と指示があったので、西馬さんはオーナーばりの中深海吹き流し 五目3本を選択。
同社から今冬発売予定のこの仕掛けは、アカムツのほか、オニカサゴやアラ狙いにも対応する。
全長3mの3本バリ仕様で、エダス長40cm、ハリはOH赤ムツ17~19号、ハリス5~8号でミキイトは6~10号だ。この仕掛けに使用されているハリには、5つの工夫が施され、キャッチ率の向上を図っている。
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「赤ムツ胴突仕掛」に変更
釣りを開始してしばらく、船中でポツポツとアカムツが上がった。
しかし、食うタナにバラつきがあり、底から5mほど上で食ったと思えば、底の方で食ったとの声も。いろんな釣りで言えることだが、ほかの人のタナに振り回されるとドツボにはまりかねない。
そこで、自分のなかで正確なタナを捉えるべく、西馬さんは船長に相談のうえ、同社の「赤ムツ胴突仕掛」に変更。3本バリのこの仕掛けで、幅広く探ってタナを見つけ出す作戦に出た。
本命アカムツ登場
投入後しばし、小気味いいアタリがきてハリ掛かり成功。巻き上げてくる途中、100mを切ったあたりで魚が暴れた。上がったのは本命のアカムツ。中ほどのハリに掛かっていた。
一方、大ドモにいた常連の人も、胴つき仕掛けでポツポツとアカムツを上げたが、こちらは一番下のハリに食っていたとのこと。
赤ムツ胴突2本仕掛へ
そこで、西馬さんは底から少し上に狙いを絞ることにし、2本バリタイプの夜光赤ムツ胴突2本仕掛に変更した。
3本バリに比べ、2本バリのほうがエサ付けから投入までの手返しが早い。船がホットスポットを流しているとき、魚を獲り込んだあといち早く次の投入に移れるのは大きなアドバンテージだ。
なお、この仕掛けのハリは、深海でもアピールが強いオレンジの夜光カラーが施されたインブライト赤ムツ。当日は小雨交じりの曇天。海中に届く光量も少ないので、アピール力の強さを求めこの仕掛けを選んだ。
余談だが、アカムツのジギングではオレンジゼブラというカラーが定番色のひとつになっている。これは、夜光オレンジが深場でも魚に認識されやすい色だという実例だ。
また、一説には同系色(自分の身体に近い色)を魚はよく識別できるとされる。おそらく生殖活動の際、仲間を見つけやすいようになっているのではないだろうか。
仕掛け的中で40cm本命
魚探の反応は底から5mまで。風とウネリがあるなか、船の上下動で1~1.5m誤差も生じる。探っている過程で重いオモリが泥底の斜面に衝突してめり込まないよう、2mほど底切りするのが好ましいが、探れるタナも差し引き3mと狭まってしまう。
このような状況下、対策として西馬さんはゼロテン釣法も試みたが、船の上下動が激しく仕掛けが落ち着かない。ロッドワークで船の動揺を吸収しつつ、仕掛けを海底の斜面の変化に追従させていった。すると、この狙いが大当たり。次の投入で、西馬さんに重量感のある獲物が掛かった。中層まで浮いても何度も暴れる相手。40cmほどの立派な本命を手にすることができた。