秋になるとヤマメが色づき、サクラマスが上流に遡上してくると同時にイワナ/アメマスも動き始めます。特にタイミングが合えば思わぬ大物に遭遇する可能性もあります。シーズン通してイワナを追いかけている筆者ですがこの9月も三日間にわたり大イワナを探しに源流を探索してきました。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター小峠龍英)
Day1:春の実績沢へ
午前中に所用を済ませ、昼から自宅から割と近い小渓流へ。雪代が引き始める頃に良型の実績があり、イワナの魚影が濃いのは確認済みで、今の時期なら40cmクラスもいるかもしれないと静かに期待を抱きながら入渓しました。
新子の猛攻
この日はミノーとスプーン共に派手めなカラーを中心に重さは3g~5gをポイントによって使い分けます。やはり予想通り無数の新子たちがルアーに戯れてきます。5cm未満の小さなイワナが自身より大きいルアーにまで食い付いてくる有様。そこで一旦川から上がりさらに上流へ向かいます。
上流で20cm級イワナ
上流の実績ポイントから入り直し、早速1投目から20cmクラスのイワナがヒット。やはり下流よりサイズが大きく、ちょっとした深みを中心に20cm前後のイワナのヒットが続きます。
倒木から35cmイワナ登場
そろそろサイズアップしたいと思っていた矢先に対岸際の倒木が絡むポイントにミノーを通すと黒い影がうねるようにチェイスしてくるもUターン、そのまま付き場へ戻って行くのが見えました。すかさず再アプローチをかけて今度はタダ引きで倒木に沿ってミノーを通すと再びその黒い影がミノーを引ったくっていったのでそのままフッキングへ。
倒木下に潜ろうとするのをいなしながらすくい上げたのは35cmの尺上イワナ。やや銀が強いもののきっちりと残されたパーマークを持つ素晴らしい個体。この日はそのイワナで満足したので、後日続きから再開すると決めて帰宅することにしました。
Day2:前回ポイントからさらに奥へ
数日後の週末、午前中は雨だったものの昼から晴れだったので前回の退渓ポイントへ向かいます。前回やや減水気味だったのが雨の影響で平時よりほんの少し高い水位、濁りは無しで絶好のイワナ日和。その期待通りイワナの活性は高く15cm~25cm前後のイワナをコンスタントにキャッチ。
開始1時間で既にツ抜けと数は出てますがサイズがいまいち伸びません。さらに遡行を続け、そのまま未踏区間に入ります。ここから先のポイント情報は無し、期待が高まると同時に熊への不安も出てきます。
チェイスあるもヒットせず
未踏区間は下流の区間より深めの淵や倒木や薮がせり出したボサ際カバーなどいかにもなポイントが連続する様相で、尺クラスの期待が高まります。その期待通り、要所で尺クラスのチェイスが連続しますが、あと一歩のバイトが引き出せずに意外な苦戦が続きます。
そんな中、上流からの流れが絞られて対岸にぶつかり深みを形成したポイントに辿り着きます。河畔林の影がポイント全体を覆い、さらに対岸からせり出した笹薮が対岸際をカバーしている良型が隠れるには理想的なポイントでした。
ボトムでモンスターヒット
ボトム付近に付いているであろう尺上クラスにアピールすべく、6gのヘビーシンキングミノーを流芯の対岸寄り上流へキャストし、流れに乗せ沈めながらボサ際最深部に送り込み細かくトゥイッチを刻んで誘う作戦。そしてトゥイッチを刻み始めた直後、突然ロッドに強烈な重みが乗ります。
フッキングを決めるとボトム付近で白い腹を見せながらうねる黒い影。初めはサクラマスのスレ掛かりかと思いましたがその黒い影は背中に白い斑点を持っていたのでアメマスと確信。
強烈なパワーと重さでバットからブチ曲がるロッドと鳴り止まないドラグ音。これ以上ラインを緩めると絶対に外れると感じたのでドラグを締めロッドを立てて疲れさせ抵抗の隙を見てランディングする作戦をとります。
アメマスが隙を見せる度にランディングネットですくおうと試みるも、デカ過ぎてネットに入らず。それでも何度目かの浮上でやっとランディングに成功、流石にその瞬間は「よし!」と歓喜の声を挙げました。
自己新記録の64cmアメマス
ネットにかろうじて入っている魚を水に浸けて呼吸を確保し、急いで浅瀬に石で簡単な生け簀を作ります。何とか生け簀を用意しアメマスを窮屈なランディングネットから出して生け簀に移すと、改めてその巨大さを実感しました。
小渓流に不釣り合いな極太の胴回りに巨大な尾鰭、年季を感じさせる眼差しは貫禄十分にこちらを睨んでいるかのよう。サイズを測ると64cm。今までキャッチしたどのトラウトよりも大きい自己新記録。
全く想定外のキャッチで久しぶりに度肝を抜かれました。アメマスを深みに帰しその日はそれで納竿としました。