秋になると堤防にカワハギが寄ってくる。本格的な沖釣り(船釣り)に比べると、数、型ともに劣るが、家族で楽しむにはうってつけだ。今回は「釣って食べるための裏ワザ」を紹介する。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター松田正記)
カワハギの習性
カワハギは北海道以南の海に多く、秋から初冬は浅場に接近する。同時期は堤防から手軽に狙えることもあり、家族連れで賑わう。平均サイズは手のひら大で、まれに足裏サイズが交じる。
潮汐表をチェック
堤防から狙う場合に必要な条件は、ずばり潮。ポイントによって干満の差が大きいため、大半の釣り場が満潮前後が狙いになる。従って釣行前に潮汐表をよく確認することが、はじめの一歩になる。
釣り具と釣り方
次は釣り具と釣り方。前回紹介した分と併せ、「おさらい」として。まず用意する釣り具は、ちょい投げ用で安価なセットものでOK。これに専用の胴突き仕掛けを繋げる。エサはアオムシやアサリ。ハリに刺す際、アオムシは1cmほどにカット。アサリは1個掛けにする。
エサ付けが終わったら、仕掛けを底まで落とし、底をトントンとたたきながら、探っていく。アタリは穂先がチョコンと震える程度。ここで軽く持ち上げたり、アワセを入れるなどしてハリ掛かりさせる。ここまでが基本になるが、レベルアップするためには次の3つの裏ワザを覚えておきたい。
本当は教えたくない3つの裏ワザ
では、本当は教えたくないカワハギ釣りの裏技を三つ紹介する。
1、見切り移動
カワハギ釣りで一番大事なのはエサ取り。エサが頻繁に取られる場所なら、釣果が望めるが、エサ取りがいないところは期待薄。従ってサオ出しから5~10分経ってもエサが取られない場合は、すぐに見切りを付けて次の場所に移動しよう。
そのためにも予め実績のあるポイントを釣り具店で教えてもらい、しっかりメモしてくことが必要だ。最低でも3か所は知っておきたい。また、移動する際は仕掛けがおまつりしないよう市販の仕掛け巻きを使うことをおすすめする。
2、エサ
次に大事なのがエサ。一般的にはアオムシやアサリを使うが、いずれもハリに付けるのが面倒で、ムシが苦手な人も少なくない。そんな人には赤貝のむき身がいい。釣り具店の冷凍エサコーナーにある市販品でOK。これだとハリに刺すのがラクなうえ、抜群の集魚効果があるので、試してみよう。
そのほか、現地で調達できるエサも覚えておこう。なかでも比較的捕まえやすいのはフナムシと磯ガニ。いずれも1匹掛けにして使う。エサトリのフグが多い時に効果があり、エサ持ちも抜群だ。
ちなみどのエサも他魚が食ってくる。代表的なのはアラカブ。意外にサンバソウ(イシダイの幼魚)やアジなど嬉しい魚も交じる。
3、サオについて(釣り人の本音)
ここからは本音の部分。「釣りは道具じゃない」。確かにそう思うが、カワハギ釣りだけはサオだと思う(個人的感想)。専用のサオは穂先が軟らかいだけでなく、適度な弾力で感度もいい。当然アタリが分かりやすく、魚(カワハギ)が乗りやすい。「釣った」よりも「釣れた」感があり、釣果の差は歴然だ。
まずは半信半疑で試してみよう。最近は安価なものがあるので、たまには〝形から入って〟も……。