今年の伊勢湾のキスは絶好調のようで、どこの港でも好釣果が聞こえてくる。その中でも突出した好釣果をたたき出しているのが、三重県松阪市の松名瀬港から出船している丸安丸だ。連日3ケタ釣果が出ていると聞き、丸安丸の常連で週刊つりニュースのAPCでもある出口和弘さんと8月8日に乗船することになった。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
丸安丸で船キス釣り
午前5時30分に港に着くと、すでに出口さんをはじめこの日の乗船者の皆さんが集まっていた。中には名張のプロショップ・カツキの店長である廣澤さんの姿も。やがて船長が到着してあいさつを交わした後、そそくさと準備を済ませてからタックルを船に積み込む。
6時前に港を出た船は北に進路を取ったかと思えば、10分もしないうちにエンジンがスローダウン。「え、こんなに近いの?」と思っていると、アンカーが投入される。
出口さんに聞くと、このポイントの水深は2m未満の超浅場。最近はこのポイントで1週間ほど爆釣が続いているとのことで、潮が低いときには底が丸見えになることもあるのだそうだ。
超浅場で爆釣スタート
にわかには信じがたい話だったが、いざ釣りが始まってみるといきなりトモではキスがダブルで上がり、廣澤さんも1投目からキスを連発している。海をのぞき込んでみると、底がうっすらと見えている。これからもっと潮が下がるので、そうなると見釣りもできるんじゃないか……と思ってしまうほどだ。
もちろん出口さんもミヨシで入れ食い状態。1投で必ずアタリが出るといっても過言ではなく、この浅場にはこの海域全てのキスが集まっているのでは……と思えるほどの入れ食いだ。
特にトモに座を構えた2人のアングラーは、ものすごいペースで釣り続けており、バケツからクーラーに入れ替えるペースがとにかく速い。
無限ヒットがとまらない
キスのサイズは小さくて15cm、大きなものは20cmを優に超えておりこれだけの浅場だとびっくりするようなアタリを送ってくれる。そしてハリ掛かりした後も、派手な横っ走りを見せてくれるのも超浅場ならでは。キスは独特のブルブルッとしたアタリが魅力だが、ここのキスはいきなりひったくるような暴力的なアタリを見せる。ともすればサオを持っていかれるんじゃないかと思うほどだ。
やがて潮が下がってくると、底がはっきり見えるようになってきた。ここでチョイ投げせずに、仕掛けを真下に落としてみる。オモリとエサを凝視していると、スーッと近づく細長い魚影。あ……と思った瞬間、魚がエサをくわえて走りオモリが引きずられた。
3ケタ達成続々
すかさずサオを立てると、パールピンクの魚体をくねらせて手元に飛び込んできた。ひそかに狙っていた見釣り成立だ。ふと思いついたのが、これだけ浅ければノベザオでもできるのでは……ということ。すでに水深は1.3m。3.6mのノベザオなら十分できるはずだ。よし、次はぜひやってみよう。
私が遊んでいる間にも周りの人たちの入れ食いは継続中。見ると廣澤さんの手元にはカウンターがある。数字を見させてもらうと87だ。ここから数匹追加し、終了10分前で96匹。ここから廣澤さんのギアが一段上がり、終わってみればカウンターは106。見事に3ケタ達成となった。