盛夏はチヌ狙いの落とし込み・ヘチ釣りの最盛期。中でも武庫川一文字は二桁釣果連発の例年にない活況ぶり。私(筆者)も釣行日には向かい風の当て潮が好条件となり、40cmオーバーのチヌ3匹を仕留めることができた。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)
盛夏の武庫川一文字
武庫川一文字に渡す渡船店の最大手の武庫川渡船では、朝5時台の早朝便にインターネット予約を継続していたが。2022年の盛夏は記録的な猛暑がたたり、予約の釣り人も少なめ。おかげで予約なしでも受け入れ枠が十分設けられていた。これ幸いと7月17日に釣行を決め、午後1時過ぎに武庫川渡船の店舗前に到着した。
国土交通省の規格認定を受けた桜マーク認証のライフジャケットは以前の釣行でスタッフに確認済なので、乗船手続きは乗船名簿と会員証の提示だけでスムーズに終了。船長に様子を聞くと、チヌは2番か3番の船着場で、沖向きがいいとのことだったので、波止のカーブ部分付近の2番の船着場で降りることを選択。
午後2時の便は友人グループのほか、チヌ釣りの愛好家クラブの名手たちも10人ほど乗船しており、活気がみなぎる中で定刻に出船。私は2番の船着場に降り、荷物を置いてタックルの準備にかかった。
なお、武庫川一文字の詳細については、以前の投稿「大阪湾の沖波止紹介:武庫川一文字 管理行き届いた運営で安心安全釣行」で紹介しているので、まだご覧になっていない方はそちらも参考にご覧いただきたい。
落とし込み釣りのタックル
当日のタックルは、落とし込み専用ザオ3.9mとリールに、ストライプカラーの落とし込み・ヘチ専用の2号ライン。ラインの先には市販の目印仕掛けとハリスは1.7号を直結する。ハリスは硬めのものがいい。ハリはチヌバリ3号で、チモトにはガン玉2Bをかませる。
エサは盛夏の定番、イ貝。イ貝は動かないエサではあるが生き物なので、海水に浸けて生かしておき、使う分だけ取り分けるようにしたい。波止際のイ貝の着生状況はよく、イ貝1本で間違いなし。今回は粒の小さいイ貝ダンゴの繊維掛けで勝負することにした。
名手のサオがしなる
当日は3時過ぎが干潮なので、時合いは夕方まで来ないかと思いきや、3時前に早々と、カーブ外向きで名手のサオが満月にしなった。軟調ハエザオに鳴門リールというクラッシックスタイルのタックルを巧みに操る名手の仕留めたチヌに、ファミリーで訪れたジュニア達がマスク越しに「すげぇ!」と声をあげた。
この様を見て、私もカーブ外向きを攻めるのが吉と思い立ち、外向きのカーブを東方向に歩を進めて釣り歩くことにした。
1ヒロ半で43cmチヌヒット
外向きは向かい風が思いのほか強く、目印仕掛けが煽られてエサを落としづらい。イトふけを利用して落としてみたり、強引に波止際に寄せてみたりと工夫してみるが、アタリはない。落とし込み釣りはチヌがエサの落ち方に違和感を覚えるとアタックしてこないので、今のコンディションでどのような落とし方が正解かつかまないと釣果は得られない。
試行錯誤の末に正解が偶然に見つかったのは4時前。イトふけを取りに行ったサオ先操作の直後に1ヒロ半のタナとなったところで、引き込みアタリからクンと反応があり、ハリ掛かりした。パワフルなチヌの抵抗に負けじと、サオのパワーを信じてイトを極力出さずに持ち堪える。
バラさないようにと慎重さを保ちつつも、魚を海面に上げてくると、一目で判る大物。海面でのやりとりも手間どったが、何とか空気を吸わせて動きを弱めたところでタモ入れに成功。1匹目の43cmのチヌは、喉元でのハリ掛かり。夕マヅメにはやや早い時間帯とはいえ、魚の捕食スイッチがしっかり入っている証だった。