深海に生息する巨大ザメ「カグラザメ」。古い時代のサメの特徴を残すことから「生きた化石」とも呼ばれています。
(アイキャッチ画像提供:饗場空璃)
食べられるの?
カグラザメは今回のようにまれに捕獲されており、生きた個体であれば水族館で生体展示されることもあります。ただ、魚体が大きいことからせっかく漁獲しても船上で活かしておくのは難しいようで、新鮮なうちに解体し、その肉を食用にしたり、肝臓から肝油を取るといった形で利用されることが多いようです。
実は筆者は以前、カグラザメの肉を分けてもらい、食べてみたことがあります。その肉質は水っぽく、味は他のサメと比べても淡白で、生では美味しいとは言えませんでした。
しかし、水分を抜くように加熱すると弾力が出て美味しく食べることができました。したがって調理法としてはフライなどが適していると考えられます。
といってもやはり貴重な魚、今後も水揚げのほとんどどは研究用になるかと思われます。多くの人にとっても、美味しいかどうかよりは「どんな生き物なのか」が解明される方が喜ばしいでしょう。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>