北海道の空の玄関口・新千歳空港からクルマで15分。千歳市のシンボルともいわれる千歳川の支流・ママチ川で初夏のテンカラ釣りに挑戦し、良型のブラウントラウトをゲットした。その模様をリポートするとともに、周辺の渓流なども紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター筑井直樹)
まさかのヤマメが顔見せ
その後、釣り上がって2匹追加している間に、先行した釣友はなんと幼魚と思われるヤマメをゲットしていた。「まさかヤマメが釣れるとは!」。この川のヤマメはブラウンに圧倒されたとばかり聞いていたので二人して感動し、しばしみとれてしまった。「このまま成長し、繁殖してほしい」。そう祈りながら丁寧にリリースしてやると、一瞬のうちに流れに吸い込まれていった。
3時間ほどで脱渓。その時点でも水温は10.5度までしか上がらない肌寒い一日だった。ブラウンにしてもヤマメにしても、ヒットポイントはいずれも流れのほとんどないところ。まだ水量が落ち着かないせいか、ポイントは乏しい。もう少ししたら再挑戦したいと思いつつ、「ブラウンはやはり好きになれないなぁ」と独りごちた。
千歳川水系の特徴
冒頭でも触れた通り、ママチ川の本流にあたるのが千歳川だ。支笏(しこつ)湖を水源とするだけに、大雨が降っても水量が比較的安定しているといわれる。上流は資源保護のため釣りの自粛区間となっているが、深い森の中から住宅街近くまでとポイントが多数あり、渓流釣りのメッカともなっている。
筆者は昨年初めてテンカラで釣行しボウズに終わったが、エサ釣りの釣友は複数のブラウンをゲットした。ルアーやフライに向いているという印象だ。水流や水深もあるので安全には細心の配慮が必要だ。
初中級者向け支流
千歳川が上級者向けとすれば、初中級者は少し札幌側に移動し、千歳川の支流に当たる漁(いざり)川やラルマナイ川に入ってみるのもいいだろう。ママチ川と同様に釣り人が多く魚影は薄いが、アメマスやニジマスが狙えるかもしれない。繰り返しになるが、上流域に入らずともクマ対策はくれぐれも怠らないようにしてほしい。
千歳水族館
せっかく千歳市を訪れたのなら足を運んでほしい施設がある。サケの仲間や北海道の魚類を中心とした淡水生物を展示している「サケのふるさと千歳水族館」(千歳市花園2丁目312番地)だ。
淡水では日本最大級の水槽を有するほか、千歳川に埋め込まれた窓から水中をそのまま見られる「水中観察ゾーン」は時間のたつのをわすれるほど魅力的だ。魚がエサを捕食する様子を観察できれば、釣りエサの流し方の参考になるかもしれない。
<筑井直樹/TSURINEWSライター>