北海道の空の玄関口・新千歳空港からクルマで15分。千歳市のシンボルともいわれる千歳川の支流・ママチ川で初夏のテンカラ釣りに挑戦し、良型のブラウントラウトをゲットした。その模様をリポートするとともに、周辺の渓流なども紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター筑井直樹)
ママチ川で渓流釣り
北海道中央部で渓流釣り河川と言えば、一、二に名前が挙がるのが千歳川だろう。だが、今回はその支流にあたり、「ブラウントラウトの川」として知られるママチ川が舞台だ。
新千歳空港から道央道の千歳ICを目指し、クルマで15分ほど走れば早くも大自然の趣。アクセスが容易であるがゆえに、休日ともなれば札幌や近郊から多くのアングラーが足を運ぶ。サカナもすれているが、それだけにやりがいのある川だ。
ヒグマに注意
釣り場に着いたら、まず注意してほしいのがヒグマだ。幹線道路や住宅街が比較的近いと言っても、ここは北海道。ヒグマがあちこちに出没しており、写真のように注意を呼びかける看板が掲げられている。
クマは臆病な動物といわれているので、ヒトの接近を察知すれば自ら立ち去ってくれるはずだ。決して甘く見ることなく
1)複数人で行動する
2)クマ鈴や携帯用ラジオで音を出す
3)爆竹を鳴らす
などクマ対策を徹底してほしい。
テンカラでブラウン狙い
筆者がママチ川を訪れるのは昨年5月以来2回目だ。ブラウンの独特な外観が苦手で避けてきたのだが、今季は他の渓流での釣果に乏しいため「ママチ川なら何とかなるだろう」と誘惑に駆られてしまったのだ。
午前9時前、釣友とともに目的地近くの林道入り口に到着。うっそうとした森の中、蛇行を繰り返すママチ川が見えてきた。ブラウン嫌いとは言いながらも、やはり胸が高鳴る瞬間だ。
テンカラタックル
この日の筆者のタックルは2.7mのテンカラザオに3mのレベルライン(3.5号)、0.6mのリーダー(1号)。アタリをとりやすいように蛍光色の発泡玉ウキを装着した。
玉ウキはYouTubeで存在を知り、見よう見まねで取り入れたもの。テンカラは毛バリがどこを流れているのか把握しにくいが、玉ウキの動きを追えばアワセのタイミングがつかみやすいという。ただし、それなりのアタリがある場合は玉ウキの有無は関係ないような気もするので、いまは試行錯誤の段階だ。
フィールドの状況
話を現場に戻そう。幸い先行者はいないようだ。水温は9度。川幅は3~4m、水深は20cmほど。清流の中をバイカモ(梅花藻)がゆるゆるとそよぐ。川底に石はほとんどなく、火山灰と思われるやわらかい砂れきが舞う。足音や濁りで気づかれないよう、なるべく岸からポイントを探る。入渓者が多いため踏み跡ができていて歩きやすい。だが、頭上には木々が生い茂り、サオが長く感じる。
慎重にポイントを探るがアタリはなく、すぐに毛バリを引っ掛けてロストしてしまった。
派手な毛バリでブラウン登場
ケースの中で大ぶりの赤い毛バリが目に付いた。「ブラウンにはこんな派手な毛バリが合うかも」。とろんとしたよどみにキャストしてみた。すると「根掛かりか?」と思わせる鈍いアタリ。
ニジマスのような激しさはなく、イワナとも違う緩さだ。まるでウグイのようだが、それにしては上がってこない。時間にして数十秒。ようやくランディングすると、どぎつい模様が特徴的な良型のブラウントラウトが毛バリをしっかりくわえていた。