ひと足先に常磐の海で夏の風物詩的存在の荒磯の猛者・ムラソイ釣りが始まった。そこで5月18日(水)、茨城日立港久慈漁港の大貫丸に釣行した。ゲスト交じりに良型の本命も登場した当日の釣りをリポートする。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 APC・大村隆)
大貫丸でムラソイ釣り
舵を握る大貫茂雄・大船長に模様を伺うと「12日からスタートしたが、40cm超えの大型が顔を出している。また、ポイントによっては良型クロメバルも活発に食ってくるから楽しめるよ」と嬉しいコメント。
受付の女将にあいさつして釣り座を確認。7人のファンとともに乗り込み、左舷2番に入る。明るくなった5時10分に岸壁を離れ、釣り場を目指す。船長は根魚をもっとも得意しているので、辺り一帯に点在する根の隅まで熟知している。心強い味方だ。
天候は晴れで南西の微風と、絶好の釣り日和。航程40分でスローダウン。潮回りの間に船で支給されたサバの短冊を上バリにチョン掛け。下バリには冷凍カタクチイワシの下アゴから上アゴの硬い部分に刺し通してスタンバイ。
クロメバル連掛け続出
ポイントが定まると、「はい、いいですよ。水深は15m、はい13m、10mになりました」とのアナウンス。海底はかなり荒く、大小の岩や石がゴロゴロしているようだ。だが、根掛かりをおそれてタナを切り過ぎてはダメ。根掛かり覚悟で、果敢に攻めることが肝要。
いきなりグッ、グインと派手なアタリがきた。聞き上げるとハリ掛かり。ゆっくりと巻き上げにかかるとさらに力強い引きが加わり、竿先は海面近くまで持っていかれる。竿の弾力でしのぎながら巻き上げると、黒っぽい魚影が3つ。竿を横に置いてミキイトをたぐると、30cmほどのクロメバルのトリプル。
隣に座る水戸市の恩蔵さんもクロメバルの3点掛けを取り込みニコニコ顔。右隣のミヨシの雨海さん(つくば市)も良型クロメバルの一荷を取り込み「根魚は釣って面白く、食べて美味しいからもっとも好きな釣りです」と満足そう。
船長はアタリが遠のくと、すぐに竿上げの合図。新たなポイントを次々と探っていく。そのたびに良型クロメバルが連なってくる。
良型本命続々登場
少し浅場へ寄った荒根に移動して間もなく、雨海さんが湾曲した竿を抱えて真剣な面持ちで巻き上げに入った。途中で強烈な引き込みがあり、竿は曲がりを深める。「こいつは大物だよ」と言って、表情を引き締める。様子を見ていた船長が飛んできて、タモを入れる。本命を上げた雨海さんは、してやったりの笑顔。
「右舷トモでもいい型が上がったよ」との声に駆けつけると、常連の服部さん(柏市)が目を見張るほどの良型本命を取り込む。「以前は遠征沖釣りばかりだったが、最近はここオンリーです。季節の魚を楽しませてくれるし、船長をはじめ皆が親切だからね」と、こちらも大満足の様子。
その隣の根魚大好き組の1人・櫻井さん(松戸市)も良型を仕留めた。
「私も早く本命と対面したい」と釣り座に戻る。根掛かりと格闘しながらなんとか2尾のムラソイをゲットしたが、そのうちの1尾は小ぶりだったので海に戻した。