ライトゲームにタングステン製ジグヘッドがおりてきて、1年経った。私は出始めの頃からいくつかTGヘッドを気に入って使っている。1年中メインのジグヘッドにしてアジ、メバルやチヌも釣ってきた。その結果、長所と共に、決定的な短所も見えたので紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
タングステン製ジグヘッドとは
まずは、タングステン製のジグヘッドについてあらためて解説する。
ジグヘッドに使われる一般的なナマリと比べて、タングステンは1.7倍比重が高い。それはつまりそのまま、同一の重さで、1.7倍ヘッド部のシルエットを小さくできるということ。
釣具のナマリのタングステン化はこの数年のブームで、ソルトでは最初におそらくナマリそのものが出てきて、次にメタルジグのタングステン製が現れた。話がそれるようだがメタルジグのタングステン製も革命で、それまで激潮で着底できなかった海でも、タングステン製のジグならば底が取れるのだとか。釣りやすくなった上、イサキなど口が小さい魚が釣れやすくなったと聞く。
メタルジグで大流行してから数年の後、ライトゲームのジグヘッドにもタングステン製がおりてきた。私の印象ではおそらく2019年くらいから一部あるが、本格的に各メーカーからデビューしたのは2020年冬か2021年春だ。
2つの長所
さて、以上のタングステン製のジグヘッドの基礎情報を押さえて、1年通じて使ってみたリアルな感覚から、まず長所を紹介したい。
魚の口に入りやすい
ヘッド部分が小さくなることに、ここまでのアドバンテージがあると思わなかった。タングステン製のヘッドは、特にアジの口には非常に入りやすい。吸い込むような食い方をする魚なので、ヘッドの抵抗感が従来のナマリでは妨げになっていたのかもしれない。はじめて使ったときは、真冬の豆アジ相手だったのだが、まったくバラシがなくもはや絶句した。
潮や風への対応力
これも間違いない。よく動く潮の中でもレンジがとりやすく、コースが引きやすい。沈めやすく、コントロールしやすい。多少の風への対応力も高い。キャスティングが決まり、波っ気のある海でも釣りが成立する。ただ、風速5m以上の状態となると、もうナマリ製でもタングステン製でもかわらない気はする。
1つの短所
私はタングステン製のジグヘッドにデメリットを感じていない。しかし、唯一難しいと思うのが、やはりその比重の高さゆえのアクシデントだ。つまり、根掛かりである。
不意に着底してしまう
夜のライトゲームではアジもメバルも、着底させる必要がほとんどない。というか、着底してはいけないとさえ個人的には思っている。
それがこのタングステンヘッド、高比重のために沈みやすすぎるきらいがあり、普通のアジング・メバリングのフィネスの感覚でふわ釣りしていると、レンジの感覚がアバウトになったところで着底してしまい、そのまま外れなくなる。根掛かりロストが多い。おそらく私は1年で30個はロストしたはずだ。