本州と四国をつなぐ瀬戸大橋は、三つの島をつないで構成されている。この三つの島は魅力的な釣りスポットがたくさんあるのだが、島民以外は車の乗り入れができないのが難点だった。そんな魅力の島で釣りを存分に楽しんでもらおうと、地元香川の琴参バス株式会社が、パーク&バスライドの運行を開始した。
(アイキャッチ画像提供:琴参バス株式会社)
バスに乗って釣りをする?
琴参バス株式会社(香川県丸亀市土器町北二丁目77番地)は、3月26日から土日祝限定で、瀬戸大橋線の坂出営業所~坂出駅区間の試験運行を開始した。
これに伴い坂出営業所内に利用者用のパーキングスペースを新たに設置し、パーク&バスライドを導入。バスに乗って瀬戸大橋をつなぐ3つの島でフィッシングを楽しむ釣り客の利用を促進する狙いだ。
バスが唯一の交通手段
釣りの穴場的なスポットが多く、通の釣り客にも人気の与島※、岩黒島、櫃石島には島民のみが自家用車で入島することができ、島民以外の人にとっては路線バスが唯一の交通手段となっている。
パーク&バスライドを利用すれば、駐車料金を気にすることなくゆっくりとフィッシングを楽しむことが可能。
マイカーからバスへのパーク&バスライドを坂出駅前から行いたい方は、駅前地下駐車場やイオン坂出の立体駐車場の利用が可能。また、琴参バス坂出営業所内の駐車スペースを利用したい方も、駐車料金が無料で利用できる。
同社は春休みシーズンに親子での釣りなどの需要も期待しており、ビギナー向けの釣り具セットのレンタルや特別乗車券などの企画も検討中とのこと。
※瀬戸中央自動車道の与島パーキングエリアには自家用車でも入れるが、島のその他のエリアへは通行できない。
新規顧客獲得のアイデア
瀬戸大橋線はJR坂出駅とJR児島駅を結ぶ運行をしており、与島、岩黒島、櫃石島の島民の方が坂出、児島方面へ通学、通院、買い物をするのに利用している。
しかしながら、新型コロナウィルスの影響により、利用者が大幅に減少したことで運行収益が大幅に悪化し、このままでは島民の生活の足の確保さえ難しい状況が続いている。
琴参バスはこうした中、新しいバスのユーザーを拡大するため「バスde島フィッシング」と銘打って、釣り客の利用促進を行うこととした。 より多くの方が瀬戸大橋線を利用することで、島のお年寄りや子供たちのための将来の交通手段が確保される。
環境にも優しい
より多くの方がパーク&バスライドを利用することにより、交通混雑緩和、自動車事故防止、CO2排出量の削減、排気ガスによる大気汚染や、省エネルギーにもつながる。