釣り人にとって春を知らせてくれるのは「桜」ではなく「メバル」という魚。そんなメバルの生態について調べてみました。
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メバルってどんなサカナ?
メバルは、「カサゴ目メバル科」の魚で、北海道南部以南の岩礁帯に生息し、九州や朝鮮半島南部まで広く生息している魚です。
大型の物は、最大40cm近くまで成長するといわれています。
岩礁帯や、藻場を好む根魚なので、身を隠せるような障害物がある場所にいることが多いです。身を隠せる場所であれば、港や砂浜問わず生息しており、根魚ではありますが、エサを捕食するときは、群れで海面付近まで浮いてくることがあり、地方名でウキソと呼ぶ地域もあります。
メバルの食性
メバルは、肉食性のサカナで、ゴカイやエビやカニ、小さな小魚などを捕食しています。
シーズンによって食べるエサが変わることでも知られており、例えば、初秋には、小型のイカを捕食していたり、春には、イカナゴやシラウオなどを主に捕食しています。
しかしこれは生息するエリアによっても変わる事なので、一概には言えません。
メバルは子供を産む
あまり知られてはいませんが、メバルは卵ではなく、稚魚を産みだす卵胎生のサカナです。
秋から初冬にかけ、繁殖に備えて、荒食いがはじまり、水温が下がった11月ごろから交尾をし、12月から翌年の2月頃まで産卵期が続きます。
メバルは、成長が遅い魚ですが、早い個体では、二歳魚(約12cm前後)から、出産をするようになります。1匹のメバルが出産で産む稚魚は、個体差がありますが、数千~1万匹程度です。
メバルの名前の由来
メバルは、目が大きいことから『眼張』と漢字で書いたり、また、春にシーズンを迎えるので、『春告魚』と当て字で読まれたりします。
また、漢字では『鮴』と書いてメバルと読むこともあり、これはメバルが水中をホバリングして休む習性から当てられた漢字です。
ちなみに『鮴』は、淡水魚の『ごり・カジカ』と同じですので、鮴が使用されている際は、文脈からメバルかカジカかを判断しましょう。