水面積は小さく魚影も薄い。それなのに、出れば河口湖ばりの肩が張った良型地ベラが顔を見せてくれるのが、静岡県伊豆の国市の城池だ。今週のヘラブナ推薦釣り場は、この城池を紹介しよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース五木田富雄)
城池の概況
静岡県伊豆の国市に城池と呼ばれる、小さな公園の池があるのをご存じだろうか。水面積は小さく魚影も薄い。それなのに、出れば河口湖ばりの肩が張った良型地ベラが顔を見せてくれる。いい日には数枚、しかしオデコも当たり前。そんなバクチ的な釣り場だが、これからの時期は大当たりの確率が徐々に高まる。池周囲の河津桜も咲き始めており、そのチャンスは間近に迫っている。
2月28日現在、水位はマイナス1m以上。熱海の温泉街に多大な被害をもたらした大雨は記憶に新しいが、これがきっかけで城池の水位も行政から指導が入り満水位状態を維持しない(エン堤崩落の危険)傾向が強くなったとか。よって今後の平常水位はかつての満水から1m減前後で、常時推移するらしい。大雨などで一時的に水位が上がったとしても、おそらくはすぐに下げてしまうだろう。
城池の釣りは何と言っても良型地ベラ。けっして数釣りを狙う釣り場ではないし、そこまでの魚影もない。春は腹パン地ベラの最大チャンスなのにこうも低水位ではテンションはダダ下がり。
しかしそうは言いつつも魚にとっての春はやってくるわけで、だとすれば低水位であっても何かのきっかけで上昇すれば乗っ込み態勢に入ることは間違いない。山間部を除き静岡の春は総じて早い。雨後は要チェックだ。
ポイント
低水位の影響で現状ではエン堤しかほぼ釣りにならない。とは言っても水深はもっとも深いオーバーフロー周辺で1本半前後、第一駐車場から数えて電柱2本目で21尺竿を振っても1本強と言った具合だ。
ただしこれからの時期は1本もあれば十分なので、水深ばかりに気をとらわれず、底の状態やウキの見やすさなどで釣り座位置や竿の長さを決めるといいだろう。釣り方の項でも記したが長竿一辺倒ではけっしてない。
水位が回復傾向ならエン堤以外の野地エリアも見逃せない。代表的なのが第二駐車場前や赤い橋周辺の激浅エリア。ここに魚が入っていれば、かなり面白くスリリングな釣りが楽しめるだろう。
釣り方とエサ
低水位の現状では底釣りが主体。バランスがメインだが、風流れが強ければハリスオモリなどで止めるしかないだろう。流れたエサを追うほどの活性があるなら、むしろ底チョイ切りの宙釣りで狙ったほうが食いアタリは出しやすい。
竿はエン堤なら10~21尺。常連の話では中途半端がよくないらしく、短いか長いか両極端がいいようだ。エン堤以外の野地ポイントは水深がかなり浅いので、竿15尺以上が無難だろう。
エサは両グルテンが主体。臭いエサを打つほど常連が親しみを込めて呼ぶ半ベラ、通称”韮太郎”が多くなる。この魚の引きはかなり強烈で、とくに水深が浅くなっている現状では竿が立ちづらく、あっさりハリスを切っていく。
魚種は問わずアタリを多く出し、ハリに掛かった魚はすべて取る意気込みであれば、エサはグルテンセットか両ダンゴにして、タックルもハリス0.8号を基準に作る。ただしここまで太くするとコイが掛かったときに竿を折られる危険性が高くなるのは覚悟の上だ。
ヘラだけをターゲットにするならハリス0.5~0.6号があれば何とか止まる。エサも両グルテンにして、なるべく半ベラやマブナを寄せずに釣っていきたい。
魚は何であれ、アタリが出ていればそのうち本命も交じるという考えもあるにはある。そのほうが楽しいと感じる人もいるはずなので、集魚力重視のエサで果敢に攻めるのも面白い。
<週刊へらニュース五木田富雄/TSURINEWS編>
城池
入釣料:無料。釣り台必携。