春の磯釣りでつきものの「おでこ」。釣り用語の1つで、狙った魚が上がらなかった時に使う。それでも何とか土産を確保したい時は「亀の手」なんていかがだろう。今回は不漁時の強い味方「亀の手」を使った「亀の手のみそ汁」を紹介する。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター松田正記)
亀の手の旬
亀の手はどこの磯にでもいる貝のような甲殻類で、磯釣りファンなら一度は食べたことのある海の幸だ。旬は冬から春。
一年を通して見かけるものの、食あたりを避けるため、気温が高くなる夏から秋は食べないほうがいいと言われる。
亀の手がいる場所
亀の手がいる場所は足元から波打ち際までの広範囲。磯に上がって釣り座を決める際、すぐ足元に付いているので、わかりやすい。特に岩の隙間やタイドプールのそばに多い。ちなみにタイドプールのそばのものはカキやカラス貝と混在している。
食べるのに適したものは、なるべく海面に近いもの。波によって適度に洗われているためか、香りがよくて美味しい気がする。
採取方法
採取する方法は至って簡単。サオ受けに使うピトンや魚締めなどを使い、亀の手の根っこから掘り起こすようにとる。ただ、家で食べる分だけにとどめておいてほしい。
自宅での下処理
持ち帰った亀の手は鍋に移し、よく水洗いする。これに水を注いで火にかけ、ひと煮立ちさせる。
次にお湯を切り、再び水を注いで加熱。灰汁を取りながら、10分ほど煮込めばOK。
食べ方
みそを入れるタイミングは火を止めたあと。素材に塩分が含まれているため、通常のみそ汁よりも薄目に作るのがコツ。
身(亀の手)を食べる時は付け根の軟らかい皮(手首)をビリビリッと剥ぐと、貝柱のような小さい身が出てくるので、これを食べる。1個から取れるごくわずかな部位だ。
キチキチした食感と、あっさりとした味が特徴で、食べ出すとハマってしまう。
保存方法
保存の方法としては冷凍をおすすめする。その際はみそを加えず、だしに漬けたまま冷凍すると3か月ほど持つ。解凍する時は冷蔵室内でゆっくりと。
<松田正記/TSURINEWSライター>