スーパーやコンビニで気軽に買える食材「魚肉ソーセージ」。原材料に使用されているサカナは何か知っていますか?
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
魚肉ソーセージとは
その名前からも分かるように、魚肉ソーセージはサカナのすり身を使った加工食品です。かまぼこやちくわと同じようにサカナの身をすりつぶし、植物性油脂や豚脂、香辛料などを加えて棒状に成形されています。
魚肉ソーセージというと薄いピンク色のものを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、近年では黄色みがかったものなども登場しています。
オレンジの袋の理由は?
ちなみに、魚肉ソーセージといえばオレンジ色の包装フィルムがお馴染みですが、なぜオレンジ色なのでしょうか?
包装フィルムがオレンジ色なのは、紫外線から守るためであり、透明では紫外線の影響を受けて色味が悪くなってしまうそうです。
しかし、近年では包装フィルムの機能も向上しており、透明の包装フィルムを使った魚肉ソーセージも増えています。
パツパツに入っている理由
実は魚肉ソーセージは、包装フィルムに詰めて密封した状態で加熱調理されています。
そのため、保存料などを使わずとも、常温での長期保存が可能となっています。
密封してから加熱することにより魚肉が包装フィルムの中でふっくらするため、端から端まで「パツパツ」に入っているのです。
原材料は?
魚肉ソーセージはサカナのすり身を主原料として作られています。原材料となっているサカナの主流はスケソウダラです。
最近では赤身魚に多く含まれていると言われているDHAやEPAなどの成分が注目されていることもあり、マグロやイワシ、アジやサバなどの赤身魚も魚肉ソーセージの原料として多く使われるようになっていると言います。
昔ながらの魚肉ソーセージといえば、ピンク色のものをイメージするかもしれませんが、最近では使用されている魚肉に由来した、灰色や茶色、乳白色などのさまざまな見た目の魚肉ソーセージも多くなってきています。
魚肉ソーセージの原材料としては魚肉100%というわけにもいかないので、形を成型するために必要な結着材料として、主にデンプンやゼラチン、植物性たんぱくなどが使われます。
その他にもマーガリンなどにも使用されている植物由来の食用脂質である植物性油脂、食塩や砂糖などの調味料が使用されています。
スケトウダラについてちょっと深掘り
魚肉ソーセージの種原料であるスケソウダラについて、もう少し掘り下げてみます。
主に使用されている白身魚のスケソウダラは、太平洋最北部のベーリング海で獲れるサカナで、その身の白さと弾力から、さまざまなすり身や練り物の材料として使われています。
また、某ハンバーガーチェーン店の白身フライにも使用されていたりと、あまりなじみが無いように思えて、実は私たちのすぐ近くにいるサカナです。
好みに合わせて魚肉ソーセージを買ってみて
魚肉ソーセージの主原料に使用されるサカナは、スケソウダラのほかに脂肪分が少なくあっさりした味わいの「ヒメジ(オジサン)」や、居酒屋メニューで定番の「ホッケ」などがあります。
主原料として、赤身魚が使用されることもあります。中でも、アジやマグロ入りは青魚特有の香りがあり、癖になる味わいです。
また、マグロなどの赤身魚には、DHAやEPAなどの成分が多く含まれているため、健康志向で魚肉ソーセージを食べたいという人は、こちらがオススメです。
意外にもいろいろなサカナが使用されている魚肉ソーセージ。実は専門のお店があるほど奥の深い食べ物なのです。
自分の好みに合う魚肉ソーセージを探すのも面白いかもしれませんね。
<近藤 俊/サカナ研究所>