釣り物が少なくなる厳冬期、特に堤防は秋のにぎわいがうそのように閑散とすることが多い。湾奥では根魚が安定して釣れたり、知多半島の堤防ではマイワシが爆釣したりと、場所を選べばそれなりに楽しめるのだが、今回はそんな冬の釣りの1つとしてアナゴを提案してみたい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
アナゴの釣り方
釣り方も極めてシンプルだ。ブッコミ釣りは軽く投げてイトを張り、アタリを待つだけ。複数本サオを出すのが効率的だが、5本、6本と出すと時合いになってアタリが連発したとき、とても面倒を見ることができない。ミャク釣りと合わせても、せいぜい3本までが限界だろう。
アタリがなければ少しずつ仕掛けを手前に引いて、誘いをかけてやる。アタリが出れば、即アワセは厳禁。手に持ってイトを軽く張り、魚の動きを感じ取りながら穂先が持っていかれたタイミングで、スイープにアワセを入れよう。
ミャク釣りの場合も、アタリが出たらじっくり待ち、強く押さえ込まれたタイミングでサオを上に持ち上げるイメージでアワセを入れる。食い込まないようであれば、ほんの少し持ち上げてみると、一気に食い込んでくることが多い。
ハリ掛かりした後は、一定のスピードで巻き上げてくればいい。走ったり思い切り突っ込んだりする魚ではないので、テンションを緩めず巻き上げていこう。
ピストル型のハリ外しが便利
問題は釣り上げた後だ。ここで便利なアイテムが、ピストル型のハリ外しだ。アナゴをぶら下げたまま、ハリスに先の針金を引っ掛けそのままハリまで滑り下げる。そしてハリスを下に向け、引き金を引くとハリをのんでいない限り、ハリから外れるはずだ。
生かして持って帰るなら、フタ付きのバケツに海水を張りエアポンプを入れるが、そのバケツの上で行えば魚に触れずにバケツに入れることができる。ハリをのんでいれば無理に外そうとせず、ハリスを切ってしまおう。無理にハリを外そうとすると、出血してバケツの中で死んでしまう。
「ぐるぐる巻き」の対処法
やっかいなのが、ハリスにぐるぐるに巻きついた状態で上がってきたとき。こんなときも無理にほどこうとせず、まずサルカンでハリスを切ってタオルの上にアナゴを置き、小さいハサミで魚体に巻きついたハリスを全部切ってしまう。このとき、魚体に食い込むぐらい巻きついていることもあるので、裁縫(さいほう)などで使う細いハサミがあると便利だ。
アナゴは生命力の強い魚だ。ハリスが巻きついたぐらいでは死ぬことはなので、ハリスが取れたらバケツに入れておく。
生かして持ち帰るのが面倒だという人は、その場で絞めてクーラーに入れても構わない。ウナギと違ってアナゴは、必ずしも生きた状態さばく必要はない。ただし死後硬直で曲がったまま固まってしまうと、さばくときにまっすぐになりにくいので苦労するかもしれない。