冬になるとヤリイカが産卵のために接岸し、ヤリイカ釣りの好シーズンに突入する。今回は、食味も素晴らしいヤリイカの基本の釣り方と、数を伸ばすコツを解説しよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 編集部)
ヤリイカ釣りの時期と出船地域
出船時期は秋から初春までがメイン。関東では冬の12月~2月ごろに最盛期を迎えることが多い。出船地域は全国的で、関東の場合は茨城や外房などの太平洋や東京湾口、相模湾、駿河湾などを狙い、幅広い地域から釣り船が出ている。
ヤリイカ釣りのタックル
まずはヤリイカ釣りで使う、基本的なタックルを紹介しよう。
ヤリイカ釣りの竿
メリハリのあるシャクリができ、触りをしっかりと感じることが可能な、感度に優れた9対1や8対2の先調子。長さは2m前後が主流になる。汎用のライトゲームロッドなどでも代用できるが、ヤリイカ専用のものが最適。
ヤリイカ釣りのリール
PEライン2~3号が約300~400m巻ける中小型電動がベスト。道糸の号数は船宿によっても変わるので、釣行前に事前に確認しよう。
ヤリイカ釣りの仕掛け
オモリについては120~150号がメインだが、浅場で狙える地域では軽いオモリを使うこともある。船宿の指定の号数を用意しよう。仕掛けはサバが多い場合や手返しを上げたい時は直結仕掛けが有効。ただ、枝スがないぶん糸を緩めるとバラシにつながり、取り扱いはなかなか難しい。サバがいないときや、慣れていない場合はブランコ仕掛けを使うといいだろう。
ブランコはイカが乗ったときに道糸を張ったり、緩めたりしても容易に外れないので、初心者にも扱いやすい。また、シャクリなどの動きも直結仕掛けより伝わりやすいというメリットもある。
イカリングと中オモリ
道糸と仕掛けの間に糸よれ防止用のリングや、仕掛けに動きを出しやすくなる中オモリ(5~10号程度)を接続するのも有効。ただ、どちらも潮受けがいいので、潮が速いとオマツリの原因になることも。
また渋い状況ではイカの繊細な乗りが分かりづらくなるというデメリットもある。回転式の5連サルカンなどを使うのも一つの手なので状況によって判断しよう。
プラヅノ&スッテの選び方
プラヅノはヤリイカのサイズに応じて11cmから14cmまでがメイン。スルメイカが混じる場合や、大型主体の場合は18cmを使うこともある。本数は5~8本が目安。ベテランになるとこれ以上の本数を使う人もいるが、当然本数が多いとそれだけ扱いが難しくなる。
初心者の人は慣れるまで5本程度の仕掛けを使ってみよう。また、乗りが渋いときには、中央部にマルイカ用の7cmのスッテをセットすると効果を発揮することがあるので、ひとつは持っておくといい。定番カラーは赤白。
カンナの種類はシングル(1段)と、その上にもう一つカンナが付いているダブル(2段)がある。オマツリ防止にダブルを禁止しているエリアや船宿もあるので注意しよう。
ヤリイカ仕掛けの作り方
仕掛けを自作する場合、ツノの数や種類などを自分で組み合わせられる。自作の場合悩むのがプラヅノの配色。その日の状況により乗る色が違うので、いくつか組み合わせの違う仕掛けを作っておこう。一般的に、澄み潮時には蛍ムラや薄いブルー、ピンクなど。濁り潮時には、濃いブルーや濃いピンクなどを中心に選択するといい。ブランコ仕掛けのツノや枝スの結び方は下図を参照。
市販仕掛けを使う場合はさまざまな状況に対応できるよう、均等に配色されているが、ツノだけ持参して状況に応じて交換するのもいいだろう。
ヤリイカ釣りの便利グッズ
ヤリイカ釣りをより快適にするための便利グッズを紹介する。
投入器
ヤリイカ釣りでは長い仕掛けをスムーズに投入するため、筒が連なった形状の投入器が必要になる。大抵は船宿に用意されているものの、一応予約時に確認しておくといいだろう。購入する場合はアルミ製で大口径円筒タイプが持ち運びも軽くていい。また、ツノのカンナの引っ掛かりが少なそうなものを選ぼう。ツノ数に応じて円筒の増減ができるものも便利。
ロッドホルダー
巻き上げ時や、船の移動時に竿を固定して置くために必携。こちらも大抵船宿でレンタルが可能。
バッテリー
最近の船には電動リール用の電源設備がされているが、なければ持参することになる。その際は、仕掛けの上げ下ろしが長丁場となるので、容量が大きめの10Aほどのものを用意したい。
その他の便利グッズ
サバにツノを伸ばされたときに使用するイカヅノ修正具や、スミを落とすための歯ブラシ、ツノを引っ掛けるツノマットなどのグッズも揃えておくと便利。