サカナをさばいた時に手に残る嫌な生臭さ。それをとることが出来ると言われているのが「ステンレス石鹸」です。どうしてステンレス石鹸で手をこすると臭いがとれるのか調べてみました。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
ステンレス石鹸とは
ステンレス石鹸とは、石鹸という名がついていますが洗剤のように泡が出るわけではなく、石鹸の形をしたステンレスのかたまりです。
ステンレス石鹸は水につけて手を洗うだけで、ニオイを落とす効果があると言われています。
ニオイが消える原理
まず、ニオイの原因となる物質の中にスルフィド類とアミン類の物質があります。
サカナの生臭さはアミン類に該当し、スルフィド類は玉ねぎやニンニクなどのニオイが該当します。アミン類は水溶性ではありますが、なかなか水に溶けないため簡単に洗い流すことが出来ません。
また、スルフィド類はそもそも水に溶けにくい難水溶性物質のため、手を洗っただけでは臭いが取れず、石鹼を使ったとしてもニオイを落とすことが出来ないのです。
しかし、どちらのニオイ成分も共通した性質があり、いずれもプラスの電気を帯びた「プラスイオン」を持ちます。
このプラスイオンとそして、ステンレス石鹸が濡れた指先と摩擦することで発生する「マイナスイオン」と結びつくことでにおい成分は変化し、水溶性となって消えやすくなるのです。
消臭剤ではない
ステンレス石鹸については、金属で洗うことでこれらのニオイの原因となる物質が落ちやすくなるという原理であって、どんなニオイも落とせるというわけではありません。
消臭剤としての機能は一切ないのでお間違いのないようにしてください。
また、サカナの臭いなども完全にとれるわけではなく、とれやすくなっている状態なので、ステンレス石鹼でこすった後にしっかりと洗うことを忘れないようにしてください。
実は根拠はなし?
多くのメーカーで販売されているステンレスソープですが、日本の公正取引委員会の言葉ではステンレスソープの有効性は認められていないようです。
過去にステンレスソープを売り出していた企業が『水と空気に接触することによって消臭効果を有する』と宣伝していましたが、これに対して合理的な根拠がないとして排除命令がありました。
上記のように、効果に関して科学的な根拠がないという意見もありますが、実際に使用したことのあるユーザーからは、「きちんとにおいが落ちる」という言葉も聞かれています。