山梨県甲府市にある千代田湖は信玄ベラの聖地だが、ウキの動きが減るこれからの時期こそ美形大型が出る確率が高いことをご存じだろうか。今週はこの湖を推薦釣り場として紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース 編集部)
千代田湖の概況
千代田湖のスペシャリスト・生井澤聡氏によるガイドで、厳寒期のオススメポイントと釣り方を紹介しよう。なお今回は同氏と師弟関係にある宮田亜夢さんも同行して、師匠と一緒に竿を振った。
放流直後はさまざまなポイントで荒食いを見せたが、直近では一段落した様子。今後は徐じょに新ベラの食いが下降気味をとなり、代わりに地ベラ(しかも大型)が盛り返すのが例年のパターン。いわゆる信玄ベラと呼ばれる肩が盛り上がった美形の超大型を専門とするファンからは「むしろこれからの時期がトップシーズンだよ」との声も聞かれるほど。
水位は安定。魚もひとつのポイントに定着しやすい時期となったので、ポイントさえ外さなければ、厳寒期に入っても楽しい釣りができる。ただし長竿必携ではある。
厳寒期なので、防寒対策は万全に。また湖への道路が凍結することもあるので、スタッドレスタイヤ装着など冬道対策も万全にしておきたい。
釣り方とエサ
千代田湖の釣り方とエサを紹介しよう。
新ベラ狙い
竿は長くなってしまうが、可能ならバランスの底釣りがベスト。エサはグルテンセットを主体に、アタリが続くようなら両グルテンに切り替える。
魚が上ずってくるようならチョウチンにしてもいいが、上ずりの兆候が読みづらい時期になるので、ウキのトップから発信されるサインには常に目を配ろう。よってウキはグラスまたはPCムクトップがオススメ。
地ベラ狙い
新ベラ狙いがリズムの釣りなら、こちらはどちらかと言えば待ちの釣り。どれだけエサを打とうとも魚に食い気がなければ、アタリはほぼ出ない。逆にやる気さえあれば、新ベラ以上の数釣りも期待できる。圧倒的に地ベラのほうが多いからだ。
回遊もしくは時合い待ちの釣りとなるので、エサをその場にキープしやすい底釣りが最善。他の釣りは除外してもいい。エサはグルテンセット一択。上下のエサともバラケ性を極力抑えて、ピンポイントで集魚する。厳寒期の大バラケは、百害あって一利無し。
流れ対策
新ベラ・地ベラ狙いを問わず、流れが発生すると極端にアタリが出にくくなる。原因はおもにバラけた粒子があらぬ方向へと流れて、それを魚が追いかけてしまうから。つまり開きやすいエサを打てば打つほど、魚はハリの付いたエサから遠ざかってしまう。
これに対処するには、開かないエサをコンスタントに打ち込むより方法はない。ナジミ込みで反応させて、ナジみきるまでに勝負をつける。よって通常の釣りよりも、エサ打ちの回転を早める必要がある。
長竿でしかもアタリがないと、かなり疲れる釣りにはなるが「流れて釣りにならない」と泣き言ばかりで腕組みしているよりも確率は高い。
なお底釣りの場合は、舟の揺れとエサ持ちにも要注意だ。舟がわずかでも前後するとトップは出たり入ったりを繰り返すし、エサが底に触れているので引きずられたりすると極端にエサ持ちが悪くなる。
無風であっても人の動きや湖水流れ等で舟は前後するので、トップが不自然に上下動を繰り返すなら注意すべきだ。