例年、この時期になると面白くなるのが千葉県香取郡東庄町を流れる黒部川だ。冷え込むほどサイズがアップし、今期はすでに47cm前後まで顔を見せている。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース棚網久)
黒部川の概況
レギュラーサイズでも尺2寸オーバーの美形ぞろいなので、最盛期は釣り人で埋め尽くされるほどの盛況ぶりを見せる。足場もよく車も近くに止められるので、気軽に狙えるのも人気の理由と言えるだろう。
例年、11月中旬~1月初旬になると、食肉センター裏の杭エリアが活況を見せる。とくに冷え込みが増す12月中旬すぎには、並びで釣りをしているとそのうちの誰かが尺半ないし尺半オーバーをモノにできるほど、大型の確率が高まる。釣れるヘラはどれも美しく、美形自慢の高滝湖ベラと比較しても遜色ないほど、ほれぼれする魚体だ。
取材時点では、すでに47~48cmが出たとの情報が入っており、今期も大型狙いの人でにぎわうことは必至。車を背後の土手に止められて、足場もいいので気軽に狙えるのがうれしい。
ポイント
鯉屋旅館(上流)から数えて一つ目の水車(赤い三角屋根)周辺が、この時期の1級ポイント。食肉センターから流れ込む処理水が魚を呼び込んでいるのではとの説もあるが、定かではない。ただし処理水は豚臭いので、何かしらの影響を及ぼしていることは間違いないだろう。
さらに水車は菰敷橋までに4つ並び、杭も同じく同橋まで続いている。もし一つ目の水車周辺に入れなかったら、その下流にある2つ目の水車までのいずれかに入るのがいいだろう。
3~4つ目付近だと釣り人がおらず、情報は得づらい。ただし釣れないとも断言はできない。モジリなどがあれば、人災を嫌って入ってみるのも面白いかもしれない。
なお食肉センター裏の対岸(北岸)でも釣果は出ている。北風を背にできるうえ、晴れればポカポカなので、暖かく釣りをしたい人にはこちら側もオススメだ。食肉センター裏(南岸)が大型狙いなのに対して、どちらかと言えばレギュラー以下の数釣りが主流。できれば長竿を振りたい。
釣り方とエサ
日並みやポイントの違いで竿の長さは沖、やや沖、手前狙いの3パターンほどに分かれる。常連が何尺竿を出しているのか、よく観察するといいだろう。
沖
竿18尺以上。仕掛けが長くなるぶんだけ、水流の抵抗を受けて流されやすくなる。ドボンが一般的だろう。
やや沖
竿13~16尺。沖よりは流されづらくなるので、ハリスオモリ(ガン玉B前後1~2個)で止まる可能性大。
手前
杭のすぐ先を狙うスタイル。釣り台の位置や仕掛けの長さにもよるが、竿9~11尺。もっとも流れされづらいラインなので、場合によってはバランスの底釣りも可能。水深はどこも3~3.5mほど。なお水車周辺は地形変化があり、急深や馬の背などが存在するようだ。
ほぼ回遊待ちの釣りなのでエサは両グルテン。バラケを打つ意味はあまりない。取材時点ではまだまだ水温が高くてジャミの動きが激しく、エサ持ち重視のブレンド並びにタッチが要求された。
しかし今後、水温が低下してジャミが静かになれば、流れの強弱を加味しつつ膨らみや開きの要素を加えても面白いだろう。