奇怪な見た目に似合わず美味なものも多い深海魚。多くはまだ「未利用魚」ですが、徐々に脚光を浴びるものが出始めています。
(アイキャッチ画像提供:茸本朗)
ソコダラに期待
活用されやすい深海魚の特徴は、「深海性のタラ」に多く見られるものでもあります。「ソコダラ」と呼ばれる彼らは、やや深い場所から非常に深いところまで幅広く分布しており、その資源量はあらゆる地球上の生物の中でも屈指のものと考えられています。
ソコダラは深海底引き網や一本釣りなど様々な漁法で「外道」として登場します。1mを超えるくらいのサイズになるものも多く、食材としてのポテンシャルは十分。いずれも水っぽい身質をしていますが、タラらしく淡白ながらも旨味の強い味わいです。またその肝臓はときにフォアグラに例えられるほど大きく肥大します。
鍋や味噌汁など汁物によく合うほか、西京焼きなど味を染み込ませた加工食品にも最適といえます。日本近海でも大量に水揚げされる彼ら、現状は廃棄されてしまうことも多いですが、今後必ず食材として脚光を浴びることになるでしょう。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>