今日の問診票
夏タチウオはゲーム感覚、ライトタックルで楽しめる大好きな釣りですが、アタリが出てもなかなか針掛かり出来ません。上手い方のハイピッチなシャクリを真似してみるもののやはり同じようには釣れません。何かアドバイスよろしくお願いします。
近藤 惣一郎
医学博士・京大卒。SOグレイスクリニック院長。脳外科・美容外科専門医。DAIWA沖釣りフィールドスタッフ。ロンリー侍ドクターとして各種メディアで活躍中。
ロッドの選択
Dr.近藤愛用のリール『DAIWA／スパルタン』誘い上げは穂先を上げるというよりバットからロッド中央部を”押し出す”感覚です。２mクラスだと長すぎてこのシャクリ法が難くなります。1.6～1.8mが最適です。
繊細なアタリを見逃さない、針を食いこませるという観点から一見柔軟なロッドが有利と考えがちですが、軟らかすぎると餌も動きにくくシャクリ上げポーズを入れたときでも穂先が安定せず餌がステイできません。また針掛かりする前に餌がハリごと飲まれてハリスが切れてしまうこともあります。
一方硬過ぎると餌を千切られたり、違和感を感じたタチウオが餌を離してしまうことが増えます。
この観点から夏タチのハイピッチ・ショートピッチ釣法には胴から穂先にかけて張りのあるロッドが必要になります。シャクリ中はしっかりと餌を動かす硬さと、アタリに対しては違和感を与えづらい適度な柔らかさ、そしてグッと強く引き込む本アタリに対してはシャクリの中で掛けていけるバットパワーを残すことで、オートマチックなフッキングが出来ることが理想です。
タチウオ釣りでは30～80号の錘を潮の速さや水深によって使い分けることになりますが、使用錘サイズによって、同じ誘い行為をしていてもロッドの曲がり方、復元の仕方は違ってきて、海中の餌の動きも違ってきます。
その観点から例えば『メタリア・タチウオゲーム／DAIWA』175ならM：30-60号、MH：40-80号、H：60-120号のように使用錘に応じて選択します。夏の時期であればタナが20mまでの浅場用にM、それ以深はMHの2本で大丈夫でしょう。
私が愛用する『アナリスター・タチウオ／DAIWA』も従来の195に加え180ML(30-80号)・M(40-100号)・MH(60-120号)が加わり、ハイピッチ・ショートピッチ釣法がよりし易くなりました。
メーカーが違っても基本は同じですから160～180㎝、胴から穂先に張りのあるロッドを使用錘に応じて選択した上で、糸フケを出さず餌がステイするポーズを入れるショートピッチ釣法を実践してみてください。きっと結果を出せると思いますよ。
当日の正解を探し出す
釣りに必勝パターンは無し！試して答えをだすのが正解だ！なお、このショートピッチ釣法のみが正解の誘いではありません。タダ巻きでもアタリが出ることもあります。
海面に向けた穂先をゆっくり5秒ほどかけ水平位の手前まで餌を追わすよう上げて行き、ポージング後、再び穂先を海面に下げると同時にリールを1-2回転。その後も、同じ操作を繰り返し、上へ上へと誘い上げる方法もありです。
この方法は確実にラインの張りが保たれるのでタチウオが餌を啄んでいることがサオ先の小さな震えとしての目感度やラインを介する「コツ」という手感度で感じられます。
タチウオの活性が低く、速い誘いには喰ってこないときにはアタリパターンになる場合もあります。またタナで激しくサオ先を動かしてから止め、空合わせで大きくシャクって掛かる場合もあります。タチウオ釣りも他の釣り同様、最終的には自分と魚の闘いです。
当日の状況に適したベストな誘い方を自分のタックルで探り出すしかありません。釣れている同乗者の誘いを気にしすぎるのも良くありません。迷ったら自分がそれまでにアタリを出せた誘いに回帰することも大切です。
