この季節を待ちわびていた人も多い、船のマダコ釣り。今回はサオを使用したテンヤ、エギ、スッテでの船マダコ釣りのノウハウを紹介。今年こそはあのズシーンとした最高の重みを味わっていただきたい。
タコのシーズン
ここ数年、人気上昇の一途をたどる兵庫・明石界隈の船マダコ釣り。
古くから「タコは梅雨の雨を吸って大きくなる」と言われ、梅雨のころからが本番となっていた。
しかし、年々出船開始が早くなり、今年はすでにゴールデンウイークの連休前から出船する船も出てきた。
明石海域ではマダコの産卵期のピークとしては、初夏と秋の2つあるとされている。
マダコ釣りのシーズンで見ると5月の開幕のころは前年の秋に生まれたマダコが冬を越したもの。例年、6月中旬を過ぎると新子のマダコがハリに掛かるようになり、小型ながら数釣りのシーズンに入る。
新子が大きくなるにつれ、釣り味もよくなり、数も釣れることからズッシリとしたマダコ独特の重量感を楽しめる、最盛期となるのが7月から8月前半だ。
お盆を過ぎると、明石漁場でも底引き漁が始まり、釣りとしてはかなり難しくなる。というのも数が減ることもあるが、警戒心の強いマダコが増えてエサを触ってきてもハリに乗らない、またはエサに乗り切らないのでバラシも増えるという傾向に…。
そのころになると、大阪湾ではタチウオのシーズンもたけなわとなってくるので、マダコからタチウオへとターゲットを変更する船宿も多くなってくる。いったん、落ち着いたマダコのシーズンは11月ころから始まる寒ダコ釣りで長ければ年内いっぱいまで釣期が続く。
この寒ダコのシーズンには初夏に生まれた新子と夏に釣れ出したマダコが混在すると言われている。
釣り方の種類
明石漁場ではマダコの漁業権が設定されていて、誰でもが自由に釣っていいという訳ではない。
6月1日からは基本的に禁漁期間となり、当該漁協の組合員を除いて、釣りができなくなる。なので、明石のマダコ釣りは遊漁船であっても組合員でないとサオ出しは不可だから、出かけるときには気をつけたい。
船マダコの釣りとして古くから親しまれているのがテンヤ。テンヤの場合は現在もテトロンイトを使った手釣りで楽しむ人も多いが、最近はサオを使用した釣りが多くなり、テンヤのほかに、エギやスッテなどでエサを使わずに手軽に楽しむ人も増えてきた。
このエギ、スッテの登場で、一気にタコ釣り人気が爆発したと言っても過言ではないだろう。
基本的にテンヤ、エギ、スッテの各釣り方でもタックルは同じでいける。もちろん、微妙に釣り方なども違うのでサオの調子なども細かく言えば分けられるが最初はそこまで気にしなくていいだろう。
タコエギ。