「時合い」の時、コマセを詰めずに投入する方を見かける。手返しを重視したい気持ちもわかるが、ちょっと待った!今回はチャンスタイムのコマセについて紹介します。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・古谷健太)
チャンスタイムのコマセ詰め方
ここで、チャンスタイムでも手間取らず、効率のいい手返しを意識することができるコマセの詰め方を3点ほど紹介しよう。
1.量にとらわれすぎない
まず、ビシの中に詰める量であるが、一般的に言われているのがビシの8割くらい詰めるのがコマセの出がいいとされている。
通常の時には、これを遵守して頂きたいが、チャンスタイムの時に「大体このくらいか」といちいち確認している暇はない。慣れている方であれば、感覚でこれくらいの量というのが分かるが、そうでない方は多すぎてもいいし、少しくらい少なくても構わないので、「とにかくコマセを詰めて再投入、コマセが絶える時間がないようにする」という意識でコマセ詰めをしてほしい。
2.目詰まりは処理しよう
アジがよく釣れると、ビシの中のコマセを出し切る前にアジが釣れ、仕掛けを回収した時にビシの中にコマセが残っていることがある。「よし、まだコマセが残っているから、このまま投入しよう」という気持ちになると思うが、少し待って欲しい。そのビシの中のコマセは「出し切れていないもの」なのか、「出ることができないもの」なのか、見極めが必要である。
コマセとなるイワシミンチの中には、イワシの皮や骨、内臓などビシの網目に絡まったりして出ていかないものが入っている。こういったものでビシが目詰まりとしていると、いくら海中でビシを振っても何も出ていないということになる。仕掛け回収の際に、ビシの中にコマセが残っていた場合にはビシの中を確認する癖をつけることにしよう。
もし、目詰まりを起こしているような場合には、ビシのフタを開けて、ビシの中身を海に振りだしてキレイにしよう。
3.投入中に次のコマセを用意
釣り船ではコマセを詰める用にレンゲやスプーンといったものを貸してくれるところがほとんどである。コマセを詰める前にあらかじめ必要な分量をすくっておけば、もちろんそれだけで効率が上がることになる。そこで、コマセを詰めて再投入した仕掛けが着底するまでの時間で、ざっくりで構わないのでレンゲの上にコマセをすくっておこう。
私は一すくいして山盛りになるくらいを仕掛け落下中にすくっておいてある。仕掛けを回収してビシにコマセを詰める際には、この山になった部分をビシの中に入れ、料理で摺り切り1杯を測る要領でレンゲをスライドさせると適量がビシの中に収まっていることになるため、速やかな仕掛け再投入が可能となる。
急ぎたくなるチャンスタイムであるが、一つ一つの動作を誤ると余計な時間を取られることになる。急ぐ時こそ焦らず落ち着いて一つ一つの作業をこなして数を上げてほしい。
<古谷健太/TSURINEWS・WEBライター>