神奈川県箱根町にある芦ノ湖が面白くなってきた。とくに多彩なポイントを有する湖尻エリアにある舟宿うえ乃を利用すれば、最適なアドバイス付でクリアレイク特有の黒々とした良型地ベラと遊べるだろう。今季はすでに尺半上も複数出ていて、アベレージサイズは悪くない。舟釣りが苦手な人でも浮き桟橋があるから安心して釣行できる。山の清々しい空気と共に大型の強引を楽しんでみよう。
概況&ポイント
【概況】
海抜723mにある芦ノ湖のヘラ釣りシーズンはこれからがピークを迎える。
朝は薄手のダウンが欲しくなるほど冷え込むので、当然だが晴れた日中も涼しく釣りができる。
ただし山の天候は急変しやすいので晴れ予報であっても雨具の準備は忘れないようにしたい。
直近では5月20日にキャンプ場前の舟釣りが42.5cmを頭に35枚、同ポイントで44cmを筆頭に15枚などとなっている。
なお同湖の乗っ込みはまだまだ期待十分。
大雨が降った直後や大潮などのタイミングで、今後も複数回ハタキが見られるはずだ。
【ポイント】
うえ乃出舟なら湖尻地区の各水棹ポイントか、深良の浮き桟橋が有望。
水深はいずれも21尺前後あり、クリアレイクの問題点(浅いとエサが見えてしまう)を解消できる適当な水深を有している。
とくに今季はキャンプ場前の水棹が好調で、打ち込み1投目からアタることが珍しくない。
南風で飯塚、早川、キャンプ場前などが全滅しても、深良なら風裏になるので釣りができる。
しかもより風に強い浮き桟橋もあるので、出舟前に舟宿スタッフと相談してみるといいだろう。
どこが釣れているかも含め、ていねいに教えてくれるはずだ。
釣り方&エサ
釣り方は底釣りがメーンだが浮き桟橋のような直下が深いポイントで桟橋下にヘラが大量に見えるなら短竿の両ダンゴチョウチン釣りもあり得る。
後者はレアなケースなので、ここでは前者を主体に紹介しよう。
うえ乃出舟の舟釣りポイントなら、水深が5.5~6mラインに水棹を打ってあるので竿は21~24尺が主流。
深良の浮き桟橋は入釣する向きによって19~22.5尺となる。
魚がボート桟橋周辺に接岸しているなら舟や桟橋の影を狙い水深は1~3mあれば十分。
竿は10~15尺がベスト。
浅場で良型とのやり取りとなるため、この釣り方に関しては太仕掛けが必須となる。
深良の浮き桟橋や水棹の舟釣りでは長竿を使うため、それほどの太仕掛けは必要ない。
これからの時期は、底に生えた藻が伸びてくる。
タナ取りゴムで測ったタナで上バリトントンにセットしても、ナジミ幅がでないのなら原因は藻だと思われる。
そこでタナ取りゴムでおおよその水深を測り、その後は実際に使用するエサで微調整した方がいい。
トップの浮力にもよるが最低でも3~4節ナジむようにして、さらに戻りがでるようなタナにセットする。
いくら待ってもトップが戻らない場合は、エサ(ハリ)が藻の中に潜っている可能性が高いので、さらにタナを切るか別の打ち込み点を探すべきだ。
また大型観光船などの波が絶えずある。
穂先いっぱいの位置にウキがあると、舟の揺れがダイレクトに仕掛けに伝わりエサ切れの原因になる。
そのため穂先~ウキ止めは最低でもウキ2本分以上の間隔を取れるような竿の長さを選ぶ。
仮に21尺竿いっぱいで底が取れるなら22.5~24尺竿を使うべきだ。
なお水棹止めの際はロープを水棹にきつく結ばないこと。
輪のようにして波が来てもロープが遊動すれば水棹抜けを避けられる。
エサは重めの両ダンゴをメーンにして、やや食いが渋いと感じたらそのダンゴをバラケにしたグルテンセットに切り替える。
舟の揺れで強いラインテンションがかかるのと水流も発生しやすい。
自分が思っている以上にエサ持ちが悪いので、思い切って練り込むか必要なら『粘力/マルキユー』を使ってもいいだろう。
<伊藤さとし/TSURINEWS編>