水温が下がり始めると、アオリイカたちが深場へと落ちていく。ティップランのシーズン到来である。香川県の遊漁船memories船長でもある筆者が、潮流の速いエリアでのティップランエギングについて解説。
(アイキャッチ画像提供:藤丸庄一)
ティップランエギングとは
ティップランとは通常のエギングとは異なり、深場にいるアオリイカを、船から重いエギを使って狙う釣法のこと。キャスティングのエギングはラインでアタリを取ったり、手感度でアタリを取るの対し、ティップランは穂先の軟らかいロッドを使用して、穂先が入ったり戻ったりするアタリを掛けていく。語源は穂先をティップと言い、ティップが入る=走る!から、ティップランと呼ばれている。
ティップランにおける潮流
ティップランは潮が止まるとなかなか釣れない。キャスティングエギングで手前にきたエギを水平移動させる水平フォール。これをディープで釣り人がエギを動かすのではなく、船を流しながら行うイメージだ。潮が動いてエギが動くので、動いていないと同じ場所しか探れないから釣れない。
ティップランはドテラ流しだったりシーアンカーというパラシュート型アンカーを入れたり、潮と船を同調させて流したり、その遊漁船によって流し方は異なる。
潮流が速いエリア攻略法4選
潮が流れていないと釣れないティップランであるが、流れすぎている場合も攻略は難しい。今回はそんな潮が速い場合の攻略法を紹介する。
1.ボトムの取り方
ティップランで最も大切なのはボトムを取ること。しかし単にボトム取ることが潮流の速いエリアではかなり難しい。ボトムを感じることができなければ、底に着いたエギがそのまま流され、シャクろうとした時にはすでに根掛かりしているなんてことになってしまう。
そこで大切な事がサミングである。ラインスプールに手をかけ、指をラインに軽く当てて、余分に出ようとするラインをコントロールする。そうすることでボトムに着いた時にイトの出る速度の変化に気づくことができる。それでも分かりにくい時は、ある程度落としたところで捨てシャクリを行う。ボトムに着いていなくてもシャクリを入れて少し置くと余分なイトふけがなくなり、ラインが真っ直ぐになる。そこから再度落としていくとボトムが分かりやすくなる。
2.エギの重さの設定
通常は水深と同じ重さのエギを使う。水深が30mだと30gとなる。YAMASHITAエギ王TRだと水深30mで3.5号をそのまま使えばいい。40mになると10gのエギ王TRシンカーをセットする。
ただし潮流が速いエリアではエギが速く引っ張られ、そうなると浮き上がってきたり姿勢が安定しなかったりするので、さらに重くする必要がある。アタリが出ない時は重さも見直してみるといい。
3.シャクり方
ティップランはショアのエギングとは違い、ラインスラックを出さずに巻きジャクリで誘う。大袈裟にショアエギングのようにシャクると、スラックが出て穂先にラインが絡む恐れがある。ティップの軟らかいロッドなので、穂先にラインが絡むとロッドが折れやすいので注意する。
4.アタリを出すコツ
ティップランでは巻きジャクリからのステイで、止めた時にアタリが出る。重いエギを使っているため、ショアエギングのようにフォールで抱いてくることは少ない。
水中でのイメージは、ショアエギングの際にチェイスしてきたイカを、足下でサイトフィッシングしているイメージで釣る。足下までチェイスしてきたイカは、エギをしゃくり上げてステイで抱かす。これを船からディープで行うイメージにするといい。
巻きジャクリからロッドティップをしっかりと止めて、ロッドを強く握らず軽く手に乗せているような握りにするとアタリが取りやすい。
アタリが出ない時はティップをゆっくり送ってみたり、左右にゆっくり引いてみるのも効果的。